「危害」相談1948件 基礎化粧品、美容医療が増加 東京都

都内の消費生活センターに寄せられた2022年度の「危害」に関する相談は前年度比7.6%増の1948件だった。2132件となった19年度から2年連続で減少していたが、22年度は増加に転じた。内容別では「皮膚障害」と「その他の傷病及び諸症状」が、商品・役務別では「基礎化粧品」と「美容医療」が前年度に続きそれぞれ1位と2位になった。

相談の抽出・分析を行った都消費生活総合センターは「被害に遭った場合は速やかに使用・利用を止めた上で医療機関を受診するとともに、事業者に申し入れを行ってほしい」と呼びかけた。今後の被害防止つながる可能性があるという。

同センターによると、被害者の76.6%が女性で、年代別では50歳代が22.0%、次いで40歳代が16.1%となった。危害の程度では54.2%が「医者にかからず」、25.2%が「治療1週間未満」だったが、6.6%が「1カ月以上」と危害程度が重い相談もあった。死亡に至った危害相談(0.3%)については、多くが医療行為や看護行為に関わる事例だった。

内容別では「皮膚障害」が718件と最も多く、「化粧品、美容医療、健康食品、エステティックサービス等の利用により、皮膚にかゆみが出た、発疹が出た、肌荒れを起こした」といったもの。次いで「その他の傷害及び諸症状」が525件で、「美容医療の施術による顔面変形、痛み、腫れ、内出血」、「歯科治療による腫れ、 痛み、かみ合わせのバランスが悪い」などの事例が寄せられた。3位は「消化器障害」で155件。「サプリメントなど健康食品の摂取により下痢や嘔吐、気分が悪くなった」という内容が目立った。

商品・役務別では、乳液や化粧クリームなどの「基礎化粧品」が前年度比40.8%増の214件と大きく増加し前年度に続き1位となった。前年度に続き2位の「美容医療」も23.2%増の186件と増加し、医療脱毛やインプラントなどの歯科治療の相談が多かった。3位は「頭髪用化粧品」(134件)、4位は「健康食品」(123件)、5位は「メイクアップ化粧品」(90件)だった。

原因については、商品・サービスに明らかに欠陥があるもの、 事業者の説明や表示が不十分なもの、消費者の使用方法に問題があるもの、消費者の体質に合わないものなど多岐にわたった。同センターは「事故に遭わないためには、商品などの取扱説明書や表示を事前によく確認し、正しい使用・利用に努めることが大切だ」と呼びかけるとともに、発生状況や傾向について今後も注視していく方針だ。

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