【米国】CO中毒死防止へ ポータブル発電機の安全強化案を支持

米国古参の消費者団体ナショナル・コンシューマー・リーグ(NCL)は6月28日、米消費者製品安全委員会(CPSC)の公聴会に出席し、ポータブル発電機の安全性を高める規則案を強く支持すると表明した。同団体のサリー・グリーンバーグCEOは「消費者は停電時にポータブル発電機に頼ることになるが、一酸化炭素(CO)の排出量が車からの排出よりもはるかに高い危険なレベルに達することがあることを知らない人も多い」と語り、製品に安全機能の搭載を義務付ける規制案を高く評価した。

ポータブル発電機はCPSCが管轄する最も危険性の高い消費者製品の一つ。米国では2004年から2021年までに1332人(年平均74人)がCO中毒で死亡し、近年、増加傾向にあった。また、死亡事故の4分の1は死者が複数人発生する事例で、中には家族全員が巻き込まれるケースもあった。

CPSCの規制案は排出ガス削減、CO検出、自動停止の3つの機能の搭載を義務付けるもの。CO排出量を低減させた上で、一定レベルのCO排出があった場合に自動で停止するようにする。CPSCは長年、メーカーに自主的な安全対策を求めてきたが、死亡事故の増加を受けて法規制に乗り出した形。アレクサンダー・ホーン=サリッチ委員長は「この問題はあまりにも長く続いており、毎年あまりにも多くの人が亡くなっている」とコメント。「中毒事故を防ぐ技術はすでに存在しており、致命的な問題を解決するため、企業にこれらの導入を義務付ける」とし、メーカーまかせの安全対策が失敗に終わったことを認めた。

公聴会でNCLは「気候変動に伴う自然災害が頻発しているため、規制案を早急に導入する必要がある。一部の製品にはすでに安全機能が搭載されており、すべての製品に規制の網をかぶせ、防止可能な死亡事故を迅速になくすべきだ」と訴えた。

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