突然の水回りトラブル 水道のプロが応急処置を伝授 都内で講座🔒
- 2023/7/11
- くらし
◎消費者トラブル多発 あせり禁物、事前の準備が重要
トイレ修理で思わぬ過大請求を受ける消費者トラブルが全国で多発する中、東京都消費生活総合センターは6月15日、水道工事のプロを招いた水回りトラブルに関する実験実習講座を開いた。受講者46人が、つまり・水漏れの際の応急処置や平均的な工事料金などの説明を受け、事前の準備の大切さを学んだ。悪質業者による過大請求の事例も示され、業者選びや修理依頼の際の注意ポイントも紹介された。
講師は東京都水道局・下水道局指定の工事店が加盟する東京都管工事工業協同組合の永島英俊さん。同組合は都内23区を対象とした総合設備メンテナンスセンターを運営し、24時間365日体制で水回りトラブルの工事依頼を受け付ける。修理実績は多摩地区担当の三多摩管工事協働組合・水道メンテナンスセンターとあわせると年間3万件。都や区役所、弁護士会などと連携しながら消費者保護に取り組むほか、消費生活センター主催の講座に講師を派遣するなど消費者啓発にも力を入れる。
最近の過大請求トラブルの特徴について、永島さんは「ポスティングされるマグネット広告やチラシに代わり、インターネット広告による被害が急増している」と指摘。訪問してくる業者も様変わりし、「かつては見た目の怖い人が自宅に居座るケースが多かった。今は親切・丁寧でマナーも良く、見積書や契約書もきちんと発行するなど普通の業者と見分けがつかないが、金額だけは法外な請求をしてくるケースも増えている」とし、悪質業者を呼んでしまった場合はその場で契約せず、必ず他の業者と比較検討するよう注意を促した。
工事料金の目安について、現場状況や築年数、構造等により難易度、作業時間が異なるため、一概に料金提示は難しいが、高額請求をする業者は、基本料金などを極端に安く表示し、作業前に支払い総額を伝えなかったり、便器脱着を便器脱と便器着に分割するなど作業項目を増やして、それぞれに高額な料金を設定したりしていることが多いとの説明があった。
トラブルを防ぐには事前の準備が重要だという。永島さんは(1)馴染みの工事店など依頼する事業者を事前に決めておく(2)止水栓や水道メーターボックスにある元栓(メータバルブ)の場所を確認しておく(3)つまりを除去する「ラバーカップ」を用意しておく――などのポイントを示した。
講座に先立ち挨拶した組合理事長の五十嵐隆さんは「突然の水回りトラブルで焦ってしまうと、どうしていいのかわからなくなる。被害を未然に防ぐことが重要で、学んだ基礎知識を家族や友人に伝えてほしい」と呼びかけた。