【米国】3M、PFAS汚染巡り和解 製造中止の動き広がるか

有機フッ素化合物「PFAS」による水質汚染を巡り、米化学メーカー3M(スリーエム)が公共水道事業者に103億ドル以上を支払うことで和解したことを受け、非営利団体のU.S.PIRGは6月29日、「この和解金額で飲料水の浄化費用を賄えるとは思えないが、他の化学メーカーが3Mに追随し、PFAS排出の蛇口を閉めるきっかけになることを期待したい」とのコメントを発表した。3Mは2025年までにPFAS製造から撤退すると発表している。

和解金は13年かけて支払われ、汚染された飲料水の水質調査や除去設備の導入などに充てられる。PFASは塩素を用いた従来の水処理では除去できないため、水道を管理する自治体は新たな技術の導入に莫大な費用をかけてきたという。

この和解を受け、PIRGは「有害なPFAS汚染を止めるため、できるだけ早く汚染源の蛇口を閉める必要がある。これまでの汚染分を一掃するには100億ドルでも足りない可能性が高く、汚染問題は日に日に悪化している」と指摘。「企業は水源へのPFAS排出をやめる必要があり、消費者は消火剤や日用品などのPFAS製品の使用をやめなければならない」と呼びかけた。

PIRGはPFASのうち広く使用されているPFOAとPFOSについて、メーカーに除去費用を負わせるための運動を展開中。この2つの化学物質をスーパーファンド法の対象に指定することでメーカー責任を確実に負わせることが可能になるという。PIRGは「何十年もの間、メーカーはPFAS汚染の健康影響と除去費用を米国民に負わせてきた。除去費用の負担は国民ではなくメーカーが負うべきだ」と訴えている。

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