【米国】園芸植物による蚊除けは期待薄 しっかり対策を

マリーゴールドなど特定の園芸植物を庭に植えて蚊を撃退する方法がインターネット上で紹介されていることを受け、米国の消費者団体コンシューマー・リポートがその効果を検証する記事を公表した。著名専門家らの見解から導き出された答えは「十分な効果は期待できない」というもの。蚊媒介感染症から身を守るため、防虫剤を正しく使うことが重要だとしている。

害虫忌避の特性を持つ園芸植物には特定のマリーゴールド、イヌハッカ、菊などがある。害虫管理の専門家、メイン大学のジェームス・ディル博士は「(庭に植えられた)これらの植物が蚊を寄せ付けないことを示す確かな証拠はない。おそらく植えても植えなくても同じ数の蚊があなたをめがけて飛んでくるだろう」と回答。昆虫学の権威、アイオワ州立大学名誉教授のジョエル・コーツ博士も「これらの植物は昆虫から身を守るための化合物を持っているが、空気中に放出することはない」と語った。

コーツ博士は「蚊媒介感染症を防ぐ最善の方法は防虫剤を使うことだ」と強調。効果が証明されている環境保護庁登録の製品を選ぶことを勧めた。

また、蚊の繁殖を防ぐことも費用対効果の高い方法だとした。スイス熱帯公衆衛生研究所のサラ・ムーア博士は、蚊の繁殖場所である水たまりをなくすことを提案。植木鉢の受け皿や側溝などの排水に気を配り、植物に水をやりすぎないことも重要ポイントだとした。

ディル博士は、蚊が発生した時の一時的な対策として、ベランダに屋外扇風機を数台稼働させる方法を紹介。蚊は飛ぶのが苦手で、風があると飛んだり着地したりすることが困難になるという。「風の強い日に、蚊にあまり刺されないのはそのためだ」と解説している。

重要なのは科学的に証明された防虫剤を正しく使うこと。コンシューマー・リポートは「確かに蚊はマリーゴールドやマタタビ、菊など(の化合物)が嫌いのようだが、私たちは身を守るため、園芸植物以外の様々な対策を取る必要がある」としている。

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