住宅火災1611件、72人死亡 東京消防庁管内 寝たばこ注意

2022年に東京消防庁管内で発生した住宅火災は1611件で、前年に比べ6件減少した。住宅火災による死者は前年比3人増の72人で、全体の約7割が65歳以上の高齢者。死者を伴う住宅火災の多くがたばこやストーブによるもので、東京消防庁は寝たばこや可燃物への接触に注意を呼びかけている。

同庁によると、火災となった住宅の63.6%が共同住宅。出火原因は「こんろ」が318件(19.7%)と最も多く、このうち「ガステーブル」が240件だった。次いで、「たばこ」が230件(14.3%)、「ストーブ」が98件(6.1%)となり、「コード」や「ロウソク」でも30件以上の火災が起きていた。

一方、住宅火災による死者は72人で、このうち65歳以上の高齢者は52人(72.2%)。出火原因別では「たばこ」が16人(22.2%)と最も多く、次いで「ストーブ」が9人(12.5%)となった。以下、「コード」と「ロウソク」がそれぞれ4人、「こんろ」が3人と続いた。

死者を伴う住宅火災のうち出火原因で最も多かった「たばこ」は、寝たばこが5割以上を占め、東京消防庁は「喫煙者がたばこの扱いに注意していれば防げたと思われる火災が数多くある」と指摘。飲酒しながら喫煙し、うたた寝してしまうケースもあるとして注意を呼びかけた。

寝たばこによる火源が布団に落ちた場合、しばらく無炎燃焼を続け、室内に一酸化炭素などの有毒ガスが充満する。気づいた時には避難行動がとれなくなり命を落とす危険性がある。

また、ストーブによる住宅火災で要注意なのが電気ストーブ。洗濯物の落下や可燃物の接触、就寝中の使用による布団の接触などで火災が多発している。同庁は▽ストーブの上で洗濯物を乾かさない▽外出時や就寝時は必ず消す▽周囲に燃えやすいものを置かない――よう呼びかけている。

(本紙「ニッポン消費者新聞」6月1日号より転載)

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