【米国】昨年の消費者苦情トップは自動車 7年連続 CFA集計
- 2023/6/8
- 海外
米国の消費者団体CFA(アメリカ消費者連盟)がまとめた2022年の消費者苦情トップは「自動車の販売と修理」となった。7年連続のトップとなり、新車・中古車の販売や修理、リース、ローン、広告、おとり価格など多様な苦情が申し立てられたという。CFAは「自動車を巡るトラブルは連邦政府を含め、われわれの重点テーマになっている」とコメントしている。
CFAは各州の消費者保護機関に寄せられた苦情を取りまとめ、苦情トップ10として毎年公表している。今回は25州の36機関から約60万件の苦情データを入手し、団体独自の方法でカテゴリー集計した。2022年の苦情トップ10は以下の通り。
- 1位:自動車の販売と修理(新車・中古車の販売、修理、リース、価格、広告、欠陥など)
- 2位:住宅リフォームと請負業者(住宅の工事、品質、作業など)
- 3位:金融サービス(銀行、融資、債券回収、信用情報など)
- 4位:商品購入トラブル(商品の配送遅延、未達、欠陥、返金など)
- 5位:賃貸住宅(入居条件、敷金、家賃値上げなど)
- 6位:詐欺(なりすまし、懸賞・宝くじ、副業、個人情報の盗難など)
- 7位:医療・健康(医療費、フィットネス、ウェルネス、サービスの品質など)
- 8位:家具と家電製品(納期、品質、返品など)
- 9位:公共サービス(電気、ガス、インターネットプロバイダーなど)
- 10位:旅行・引越(キャンセル、払い戻し、タイムシェア、荷物の保管など)
苦情トップとなった自動車について、CFAは「政府の貿易委員会が自動車ディーラー取引規制規則の可決を目指しているほか、消費者金融保護局が問題のある自動車ローン融資への執行強化に取り組んでおり、我々もこれを支援する」とコメント。
2位の住宅リフォームトラブルについては「資格や専門知識を持たない事業者によって行われた手抜き工事に関する苦情が目立った。この取引は前払いが多く、業者との関係が悪化した場合、作業の改善を求めるのが困難となる。手段をなくした消費者にとって、消費者保護機関の調停が重要な役割を果たすことになる」と指摘した。
2022年に消費者保護機関が調停や執行措置で取り戻した消費者救済額は少なくとも7億4300万ドルにのぼる。CFAは「かなりの額だが、行政機関が詐欺に関する支援や教育プログラムを展開し、消費者の被害額を低減させていることにも注目すべきだ」とコメントしている。