アルミ缶リサイクル協会、64団体を表彰 回収活動を支援
- 2018/2/20
- 企業・商品
アルミ缶リサイクル協会(富永泰夫理事長)は2月16日、東京都内で2017年度アルミ缶回収協力者合同表彰式を開催した。表彰対象の64団体のうち関東地区の18団体が出席し、富永理事長から感謝状と記念品を受け取った。アルミ缶リサイクル率は2年連続で目標の90%以上を達成。同協会は今後も草の根の回収活動を支援し、リサイクルの輪を広げていきたいとしている。
2016年のアルミ缶リサイクル率は92.4%と、目標の90%以上を2年連続で達成した。これを支えているのが消費者、町内会、子供会、福祉施設などの草の根団体だ。アルミ缶リサイクル協会はリサイクル活動の促進の一環として、1976年から表彰制度を発足。これまでに今回を含め1905件の個人・団体を表彰してきた。
16日に東京・大手町で関東地区表彰式を開催した。来賓として招かれた経済産業省金属課の小見山康二課長は「アルミニウムは加工性が高く、軽い・強度がある・錆びないといった優れた特性を持ち、産業を支える基幹的な金属。普及が進む電気自動車では車体の軽量化が求められ、アルミの重要性がますます増している」と強調。「日本が経済成長を持続的に続けていくには環境制約、資源制約の問題を乗り越える必要がある。国民を巻き込んだリサイクル運動が不可欠で、国も1970年代からバックアップしている。地域の自主的な取り組みを継続していただきたい」とあいさつした。
関東地区表彰式に出席した18団体は、いずれも町内会や障害福祉施設、子供会、町内女性部といった草の根団体。回収活動期間も8年から最長40年まで、息の長い活動を続けてきた。
回収活動40年を誇る「東小岩中央自治会」(東京都江戸川区)は、20班がそれぞれ当番を決めて資源ごみを回収。自治会役員が手分けして集会所まで運搬し、アルミ缶圧縮作業と袋詰めを行っている。この活動を毎週1~2回実施している。
回収活動が25年に及ぶ「むつみ工房」(東京都渋谷区)は毎週固定のマンション、商店街、一般家庭を車で回ってアルミ缶を回収。取り組みに賛同する近隣住民が持参してくれる場合もあり、地域の理解と協力を得ているという。
アルミ缶リサイクル協会の富永理事長は「1976年に表彰制度を開始して以降、アルミ缶出荷量はどんどんと増えていった。それに伴い、回収活動に取り組む皆様の取扱量も増えていった経緯があり、日頃の取り組みには感謝している」と謝辞を述べた。また、使用済みアルミ缶の一部が海外に輸出されている問題に言及。「我々は国内で使用されたアルミ缶すべてが国内で使われる姿が望ましいと考えている」とし、関係業界に国内循環を働きかけたいと強調した。
同協会は今後も、表彰制度を通じて集団回収を支援するとともにポスターの提供、回収業者の紹介といったサポートを展開。リサイクルの輪をさらに拡大させたいとしている。