【米国】歩行者検知する自動緊急ブレーキを新車に搭載 新規則案

米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は5月31日、SUVとピックトラックを含むすべての新車に歩行者検知機能付きの自動緊急ブレーキの搭載を義務付ける規則案を発表した。最終決定されれば、多くの衝突事故を回避でき、年間の死亡者を少なくとも360人、負傷者を2万4千人減らせるとしている。これを受け、消費者団体のコンシューマー・リポートは「我々が長年求めてきた取り組みであり、多くの人命を救い、衝突事故による多額の損害を回避し、道路の安全基準を大幅に引き上げるだろう」と歓迎するコメントを出した。

規則案は、新たに販売するすべての乗用車と小型トラックに自動緊急ブレーキ(AEB)と歩行者用AEBシステムの搭載を義務付けるもの。最終規則の公表から3年後にほぼすべての車両に適用するとしている。NHTSAのアン・カールソン氏は「(手動ブレーキ適用時において)時速62マイル(時速100キロメートル)以内で走るすべての車両がきちんと停止し、前方車両との衝突を避けるようにする必要がある」とし、加えて「夜間の歩行者を検知して回避するAEBシステムを義務付けることになる」と語った。

AEBを巡っては2016年、コンシューマー・リポートと自動車メーカー各社、NHTSA、IIHS(米国道路安全保険協会)が新車への標準搭載を約束する自主協定を締結。その結果、多くの新車にすでにAEBが搭載されているが、歩行者検知機能の搭載は要件となっていなかった。

コンシューマー・リポートは「安全性についてさらに踏み込んだ規則案はメーカーの自発的な取り組みを義務要件へと移行させるもの。これにより、消費者はオプション購入している安全機能(歩行者検知機能付きAEB)が1つ減ることになり、すべての新車購入者が標準で利用できるようになる」と歓迎した。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. パブリック・シチズン
    米国の消費者団体パブリック・シチズンのロバート・スタインブルック博士は11月21日、米食品医薬品局(c
  2. ETOC
    特殊詐欺グループと知りながら電話回線を提供する反社会的な電話事業者が存在することから、通信系の5団体c
  3. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  4. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  5. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る