【米国】発電機で指切断 事故報告遅延で21億円の罰金支払い

ジェネラック・パワー・システム社(ウィスコンシン州)がポータブル発電機による指切断事故の報告を怠った問題で、米国消費者製品安全委員会(CPSC)は5月5日、同社が罰金1580万ドル(約21億円)を支払うことで合意したと発表した。同社が報告書を提出する2020年までに5人が被害に遭っており、アレクサンダー・ホーン=サリッチ委員長は「ジェネラック社は直ちに事故を報告し、消費者を保護するためにすぐにリコールを開始すべきだった。今回の民事罰は責任ある行動を怠った企業への明確な警告となる」とコメントした。

米国で指切断事故が起きたポータブル発電機

リコール対象の一つ、XT8000Eジェネレーター。ジェネラック社は無料の修理キットを配布している(CPSC発表資料より)

CPSCによると、ポータブル発電機を持ち運ぶ際、ロックを解除したハンドルのフレーム部に指を挟み込み、指を1本もしくは2本切断したり、押しつぶされたりする事故が発生。同社は2018年10月以降、5人の指切断事故を把握しながら2020年までCPSCに報告しなかった。そのため、リコール(改修)が開始されたのは2021年7月29日で、この時点で計8件の事故(7件が指切断、1件が指の挫傷)が起きていた。リコール対象台数は米国内で約32万台、カナダで約4500台におよぶ。

同社とCPSCは罰金の支払いとともに、消費者製品安全法に基づくコンプライアンス・プログラムの実施や3年間の報告書提出などで合意した。

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