ネット被害深刻化、悪質在宅ワーク勧誘 消費者庁注意喚起
- 2018/2/19
- くらし
悪質な在宅ワーク勧誘に対し2月19日、消費者庁が2社への注意を喚起した。「Social Net」(ソーシャルネット、東京都港区六本木)と「Smart Plan」(スマートプラン、東京都中央区銀座)で、2社は「初心者でも大丈夫!手軽に在宅・副業!すぐに収入アップ」とネットで呼びかけ、連絡してきた消費者にホームページ作成費用や追加費用などを請求していた。200万円台の被害を抱えた消費者もいて、同庁は同様の勧誘手口に注意するよう呼びかけている。
消費者庁によると、2社はそれぞれのウエブサイトに記載した住所には存在せず、商業登記も存在しない、事業の実体はないという。
2社の勧誘手口は巧妙・悪質。
まず、ウエブサイトで好条件で在宅ワークをあっせんできることを謳う。希望してきたた消費者に連絡し、個人情報の登録に必要、などと称して免許証などの顔写真付き身分証明書をFAXなどで送信させる。さらに、研修を実施し在宅ワークに対する適正を判断するとして、消費者に在宅ワークのキャッチコピーなどの文章を作成させ、担当者充てにメールで送信させる。その後、消費者が作成したキャッチコピーの反響が大きいと見せかけるため、消費者に当該キャッチコピーを掲載したメールマガジンの登録者数が確認できるURLをメール送信する。これによってあたかも多くの人が当該キャッチコピーに関心を示しているかのように思わせ、在宅ワークで稼げる気にさせる。
この研修が済むと、ホームページの作成費用として高額な初期費用約50万円を請求してくる。数日後には、「あなたのホームページにアクセスが集中していて、サイトに入れない人がいる、もう少しホームページを広げてみませんか」と、ホームページ改良の名目で高額な追加費用を請求してくる。このホームページ改良には「500万円かかる」「アクセス数も2倍になるし、今より稼げる」「追加費用の何割かは当社で負担する」「売上げに納得しなかった場合には返金する」などと言って、お金を支払うように求めてくる。
消費者庁は今回の調査は、住民に被害が及んでいる島根県と合同で実施した。同庁によると、2社に対する相談件数は16年11月から今年1月末までに90件。20歳代から40歳代で6割を占め、女性の割合が高い。2社の被害総額は約4400万円。200万円台の被害者もいる。
消費者庁は、在宅ワーク勧誘への注意点をまとめ、被害防止を呼びかけている。