【米国】子どもの誤飲による中毒死、37%増加 30年ぶり水準

米国消費者製品安全委員会(CPSC)は3月20~24日にかけて実施した「全国毒物予防週間」にあわせ、子どもの中毒事故に注意を呼びかけた。最新統計によると、5歳未満の子どもの誤飲による中毒死が2021年は前年比37%増加し、59人が命を落とした。CPSCは保護者に対し、医薬品や洗剤、ボタン電池などの安全管理を求めている。

開始から61年を迎える全国毒物予防週間は、1970年に成立した毒物防止包装法(PPPA)に基づく啓発運動。同法のもと、CPSCは医薬品や家庭用品など約30カテゴリーの包装について、子どもの安全に関する規制を行ってきた。

CPSCがまとめた最新報告によると、2021年における5歳未満の子どもの意図しない中毒死亡者は59人。前年(43人)から37%増え、3年連続で増加した。死亡者数が50人を超えるのは1991年(62人)以来30年ぶりとなる。

全国毒物予防週間がスタートした1972年(216人)以降、子どもの中毒死は73%減少したことになるが、CPSCのアレクサンダー・ヘーン・サリック委員長は「残念ながら、我々は子どもを守るためにまだすべきことがある。(負傷を含めた)中毒事故の10件中8件が家庭で発生しており、掃除用洗剤、洗濯洗剤、ボタン電池、医薬品などは子どもの手の届かない場所か鍵をかけたキャビネットに保管してほしい」と保護者に呼びかけた。

救急治療に至った事例の主な原因製品は▽血圧の薬▽アセトアミノフェン▽抗うつ薬▽洗剤パック▽漂白剤▽ダイエットサプリメント▽イブプロフェン▽違法薬物(麻薬など)だった。

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