まるで「ブライダル詐欺商法」 全相協が深刻被害収集
- 2018/2/14
- くらし
公益社団法人全国消費生活相談員協会(増田悦子理事長)は、1月中旬から全国3か所で実施した「ブライダル関連110番」に関する「速報」を発表した。合計19件だったものの、キャンセル料、見積もり以上の高額契約、持ち込み料の追加など、深刻事例が相次いだ。全相協は事例を精査し、関係行政機関や業界団体に消費者被害防止へ向けた制度改正などを求めていく。
「ブライダル関連110番」は、本部(東京)、関西(大阪)、北海道(札幌)の3か所で、1月13日から2月4日までの土日に開催された。寄せられた相談は19件。地域や時間によっては、全相協が継続的に取り組んでいる「週末電話相談」と重なったことから、電話がつながらない例もあったという。
相談者は男性3人に対し、女性が16人。契約者は男女とも同じ割合だった。契約当事者は20代から30代で16人。相談者の中の契約者は約半数なので、子どもに代わり親が相談を寄せていたこともわかった。
件数はそんなに多くないものの、相談内容はいずれも深刻だった。
「結婚式場を申し込んだ2日後にキャンセルを申し出た。申込金10万円は一切返金できないと言われた」
「1年後の大安の日の結婚式場の契約をした。総額は350万円。仮契約のつもりで20万円を支払ったが、家族の反対を受けたので翌日に解約を申し出た。契約の翌日なのに解約料10万円を請求された」
同様に、申込金20万円を払いつつ、挙式を延ばす必要があったので延ばしたところ、結婚式場会社が倒産、引き継いだ会社から連絡が来たものの信用できないのでやめた、結局20万円は戻らなかった、などの例もある。その他にも、
「見積もりでは250万円だったのに、3回目の打ち合わせの段階で初めて食事の内容が示されたところあまりに粗末なので変更したら400万円を超えてしまった」
「カメラマンや花の持ち込みを式場に伝えたら各々10万円の持ち込み料がかかるといわれた」
「友人にプロのカメラマンがいるので、式の最後のエンドロールを友人に任せたいと言ったら式場のカメラマンでないとダメと言われた」
などの苦情例も寄せられた。全相協では、これら相談事例をもとに課題を検討。被害防止へ向け、改善策を提示していく予定だ。