【米国】点眼薬で失明や死亡 12州55人被害 緑膿菌汚染か

米グローバル・ファーマ・ヘルスケアは2月2日、ドライアイ治療などに用いる人工涙液点眼薬が薬剤耐性緑膿菌に汚染された可能性があるとして、自主リコールを発表した。米食品医薬品局(FDA)や米疾病対策センター(CDC)の最新発表(2月3日)によると、1月31日時点で12州にまたがる55人の感染症患者が特定され、そのうち1人が死亡、5人が失明しているという。FDAなどは消費者に使用中止を呼びかけている。

エズリケア点眼薬

リコール対象製品の一つ、「エズリケア」ブランドの点眼薬。開封時・使用時の汚染か、製造過程での汚染か、調査が進められている(エズリケア社発表資料より)

問題の点眼薬(OTC薬)はグローバル・ファーマ・ヘルスケアが製造した「Artificial Tears Lubricant Eye Drops」。エズリケア社とデルサム・ファーマ社が自社ブランドとして米国内でインターネット販売した。患者らは異なる10以上のブランドの点眼液の使用を報告していたが、最も報告数の多かったのがエズリケア製品。CDCの臨床検査ではエズリケアの開封済み製品から薬剤耐性の緑膿菌(カルバペネム耐性緑膿菌)が検出された。現在、未開封製品の検査を進め、製造段階での汚染かどうかを調査している。

この点眼薬は防腐剤不使用でありながら複数回分をボトルに詰めていた。米消費者団体のコンシューマー・リポートは「防腐剤を含まない点眼薬は通常、使い切りのパッケージで販売される。複数回使用する容器は細菌汚染を受けやすいからだ」と指摘。FDAもこの点を問題視しており、グローバル・ファーマ・ヘルスケアにリコールを求めた背景として▽同社が細菌汚染検査を適切に実施していなかった▽適正製造基準(CGMP)に違反して、防腐剤を適切に使用しないまま複数回使用できるボトルに詰めた――ことをあげていた。

カルバペネム耐性緑膿菌のアウトブレイクは米国初だといい、コンシューマー・リポートは「多くの抗生物質に対して強い耐性があるため特に危険。感染の兆候のある人はすぐに医療機関を受診してほしい」と呼びかけている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 消費者庁
    ◎25年度に大手団体で実証実験 運営水準の底上げに期待 食品寄附の信頼性を高めるため、消費者庁は2�c
  2. 神奈川県消費者の会連絡会理事今井澄江さん
    NPO神奈川県消費者の会連絡会理事・今井澄江さん ◎三部料金制スタート、価格の確認を 不透明なL�c
  3. 兵庫県立消費生活総合センター
    小林製薬の紅麹サプリメント3製品による健康被害問題を巡り、兵庫県は3月31日、2025年度も被害者の�c
  4. 独自の基準で自動車テストを実施している消費者団体「コンシューマー・リポート」は、認定中古車について、�c
  5. 地方消費者行政の充実強化を考えるシンポジウム
    ◎交付金事業期限到来、消費者庁「対策講じる」 具体策はこれから 全国消費者団体連絡会(全国消団連)�c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同�c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際�c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日�c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビスス�c
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6�c