【米国】葬儀価格のオンライン表示、義務化検討 6割が表示せず

米連邦取引委員会(FTC)は10月20日、葬儀業者に対し、ウェブサイトへの価格表の開示を義務付ける規則改正を検討していると発表した。FTCの調査では、価格表をオンライン開示している葬儀業者は4割以下にとどまり、消費者は業者・サービス選びで難しい決断を迫られていることがわかった。FTCは意見募集などを行い、義務化する表示項目などを検討していくとしている。

現在運用中の葬儀規則は1984年に策定されたもの。葬儀業者に対し、葬儀場を直接訪問した消費者への価格表の提示を義務付けているが、オンライン開示についてはまったく触れられていない。そのため、ウェブサイトへの価格表の開示は事業者の判断にゆだねられ、消費者が価格比較できない状況となっていた。

葬儀サービスの改善に取り組む消費者団体のCFA(アメリカ消費者連盟)は同日、「高齢者や体の不自由な人、車のない人、遠方に住む親族など多くの消費者にとって朗報だ」とFTCの方針を称賛した。

CFAなどの調査によると、現在の葬儀業界には価格競争がなく、同じサービス内容でも4倍から5倍の料金差が生じていることがわかった。CFAは「価格表のオンライン開示は不当な料金の吊り上げを抑制し、サービスの向上につながる」と指摘する。

米国の一般的な葬儀費用は7000ドル(約104万円)で、手の込んだものだと2万ドル(約298万円)を超えるという。CFAは「葬儀は消費者が生涯を通じて購入する最も高価なサービスの一つだが、価格比較により数千ドルの節約につながる」と説明している。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る