はしごは昇降用 誤使用は大けがのもと 高齢者事故に注意を

高齢者によるはしごや脚立の事故が起きているとして、NITE(製品評価技術基盤機構)は敬老の日を前に、誤った使用に注意を呼びかけた。NITE製品安全センター製品安全広報課の山崎卓也課長は「はしご・脚立は単純な構造ゆえ取扱説明書や製品に記載されている注意表示を読まずに使う人がとても多い。複数の誤使用が重なって事故に至るケースがみられるので、この機会に正しい使い方を確認してほしい」と語った。

はしご脚立事故

はしごは昇降用で、この上で作業すると危険。75度の角度で設置し、補助者の支えのもと使用することが重要(NITE再現実験より、撮影協力:ピカコーポレイション)

NITEによると、2021年度までの5年間にはしごや脚立の事故が162件あり、そのうち40件は60歳代以上の事故だった。半数近くが誤使用や不注意によるもので、17人が骨折や頭部裂傷などの重傷を負っていた。

はしごは昇降に使うもので、乗った状態で作業するのは危険。立て掛ける角度は75度で、必ず補助者がしっかり支えたうえで使用することが重要という。

一方、脚立は天板に乗ることを禁じている製品もあり、本体表示や取扱説明書を確認することが大事。またがって作業すると倒れる危険性があるほか、昇降面に対して横方向に身を乗り出すと転倒や転落の恐れがある。

NITEは「はしご・脚立での高齢者の転落事故は、ほかの製品と比べて重傷・死亡率が高くなっている」とし、運動能力が低下して身体のバランスの維持が難しい場合、他の人に作業を任せて補助にまわるなど事故防止対策を講じてほしいとしている。

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