クリーニング衣類カバー、福岡県が店頭回収 14店舗で実証開始

使い捨てのクリーニング衣類用カバーのリサイクルを目指し、福岡県と県リサイクル総合研究事業化センターは7月21日から、県内14店舗で店頭回収する実証事業を開始した。回収した衣類用カバーは再生樹脂にペレット化し、原料として売却。最終的には元の衣類用カバーに再生する「水平リサイクル」を目指す。県循環型社会推進課は「リサイクルはコストとの戦い。回収量の確保、運搬、分別、品質など課題も多いが、回収状況を検証しながら各工程を最適化していきたい」と語った。

クリーニング衣類用カバー

特定プラスチック使用製品に指定された衣類用カバー。福岡県で資源循環に向けた取り組みが始動した

衣類用カバーは今年4月施行のプラスチック資源循環促進法において、排出抑制が求められている指定12品目の1つ。ただ、衣類の保護や汚れ防止、衛生管理の面で使用を止めることは難しく、それに代わる取り組みが必要だった。そこで県は福岡県クリーニング生活衛生同業組合と協同し、リサイクルに向けた店頭回収に乗り出した。全国でも先駆的な取り組みだという。

実施店舗はクリーニングチェーンのハニー東京、そらいろクリーニングファクトリーの計14店舗。のぼりやチラシで周知を図り、協力者にはポイントを付与する。開始から1カ月たち、「周知に力を入れている段階だが、徐々に集まりだしている」(同課)という。

県内で使用される衣類用カバーは年間およそ170トン。ポリエチレン製やポリプロピレン製など素材が異なるため、「素材ごとに分別すればリサイクルしやすくなるが費用がかかる。分別の必要性、混合した場合の品質なども検証課題」だという。また、「回収量をいかに増やすかが最大の課題。スケールメリットを出せる方法を検討したい」と語った。

今回は、回収したカバーを店舗から各社クリーニング工場に運搬し、圧縮して一時保管。一定数量集まった時点で再生事業者に運搬し、溶解してペレット化する。今後は元の衣類用カバーへと再生する「水平リサイクル」を目指し、全国に先駆けて資源循環の仕組みを作りたいとしている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る