害虫駆除のネット広告に注意 高額請求トラブル相次ぐ 兵庫

害虫・害獣駆除サービスの高額請求トラブルが相次いでいるとして、兵庫県立消費生活総合センターは8月4日、「ひょうご消費者トラブル情報」を発行して注意を呼びかけた。2021年度の県内苦情件数は121件(20年度は79件)にのぼり、14年度以降で過去最多となった。一人暮らしの大学生がゴキブリ駆除を依頼してトラブルに巻き込まれるケースもみられ、同センターは「ネット広告の料金表示をうのみにせず、複数社から見積もりを取って比較検討してほしい」としている。

県内の「害虫・害獣駆除サービス」相談は増加傾向にあり、14年度の38件から21年度は121件へと増加。また、21年度の平均契約金額は25万円と高額で、「10万円以上50万円未満」の事例が全体の3分の1(41件)を占めた。スズメバチの巣の駆除では「ネット検索で『駆除費用900円~』と表示のあった業者に連絡。特殊な機械を使うので5万円必要と言われ作業を始められたが、巣が4つあるということで合計20万円請求された。高すぎる」(40歳代・女性)との事例が寄せられた。

害虫・害獣別(21年度)では全体の35%をハチが占め、ゴキブリが20%、シロアリが15%と害虫3種類が7割を占めた。以下、今度は害獣が続き、イタチ7%、コウモリ4%、ネズミ3%、アライグマ3%などと続いた。ゴキブリ駆除では一人暮らしの大学生(18歳)がネット広告をもとに業者を呼び、計6万円を支払ってしまうというトラブル事例が報告された。

センターによると、駆除方法や補助制度、事業者団体の紹介を行う市町もあり、ネットで業者を探す前に最寄りの市町窓口に問い合わせることが重要だという。また、トラブルに巻き込まれた際は消費生活センターに相談するよう呼びかけた。消費者側が事業者の訪問を求めた場合、基本的にクーリングオフはできないが、勧誘方法や契約内容によってはクーリングオフができる場合があるという。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る