続くHIFU事故 消費者事故調が経過報告 納入ルートも不透明🔒

消費者安全調査委員会(消費者事故調、中川丈久委員長)は7月26日、小顔、痩身などの効果が期待されるとしてエステティックサロンなどで使用される「HIFU」(ハイフ)による身体事故に関する原因調査について、調査開始から1年を経過することから、これまでの調査経過を明らかにし、今年度中までの報告書作成をめざすと発表した。

消費者安全法では、調査開始から1年以内に調査を完了できない場合、消費者事故調にそれまでの経過の公表を義務付けている。発表された経過報告によると、調査に着手して以降もHIFUの事故は続発、2015年から今年5月までに110件寄せられていることがわかった。

エステサロンでの発生が76件、美容クリニックでは26件。消費者事故調は1年以内に完了できなかった理由としてハイフの物流や事故の発生している業界の実態などが明確ではなく、管轄法令の規制のあり方もはっきりしないことをあげ、それらの点も含めて調査を継続することが必要と説明している。被害が続発する中での原因調査と再発防止策提示の遅れに事故被害者は落胆している。

消費者安全調査委員会(委員長・中川丈久神戸大学大学院教授を含む7人で構成)によると、HIFUは「高密度焦点式超音波機器」の略称。超音波を発生させる機器で、狙った部分にピンポイントで密度の高い超音波の熱エネルギーを照射する。

身体を切開せずに体内の特定部分のみを短時間で加熱治療できるという。前立腺がん治療などで適用され、発生熱量を低くした形で美容医療やエステ業界にも応用されてきたという。シワやたるみの根本的な原因となる生体組織に直接作用し……(以下続く)

(本紙8月1日号「コンシューマーワイド」欄より一部転載)

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