不当ネット広告裁判 罰金100万ドルは不十分 豪当局が控訴

雇用関係の助言サービス事業者「エンプロイシュア」(Employsure)が掲載した不当なグーグル広告を巡り、オーストラリア連邦裁判所が下した100万豪ドルの罰金額が不十分だとして、豪競争・消費者委員会(ACCC)は1月17日、控訴したと発表した。500万豪ドルの罰金が妥当だと主張している。(前回の裁判に関する記事:【豪州】政府機関装った? グーグル広告に罰金100万ドル | WEBニッポン消費者新聞 (jc-press.com)

ACCCによると、同社はシドニー、メルボルン、ブリスベンなど大都市に拠点を構える助言サービス大手企業。2016年8月から2018年8月までの2年間、同国の独立監視機関「Fair Work ombudsman」の検索キーワードに連動するグーグル広告を出稿し、数千もの中小企業を誘引したという。

ACCCのMick Keogh副委員長は「政府機関を装ってビジネスを試みる行為は消費者法の重大な違反であり、100万豪ドルの罰金命令は明らかに不十分。雇用関係というビジネス内容の重要性と同社の規模を考慮すれば、より高いペナルティが必要だ」と訴えた。

この裁判を巡っては、ACCCの主張が通らない場面が度々発生。2018年に同社を提訴したものの2020年10月に連邦裁判所がそれを却下。連邦最高裁判所の支持を受けて2021年8月に控訴したものの、同年11月の連邦裁判所判決では求めた500万豪ドルの罰金に対し100万豪ドルに減額された。

エンプロイシュアのグーグル広告

エンプロイシュアが出稿したグーグル広告。消費者法違反が認定されたが、連邦裁判所は「意図的ではない」「契約に至るまでに政府機関ではないことに気付く」などと判断したという(ACCC報道発表資料より)

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