【豪州】ロボット芝刈り機に賛否両論 目を離すと盗まれる恐れも
- 2021/11/17
- 海外
これから夏本番を迎えるオーストラリアで、ロボット芝刈り機を購入すべきかどうかのちょっとした議論が起きている。性能やコスト、騒音に加え、ペットや子どもへの安全性も気になるところだ。そこで豪州の消費者団体CHOICEは主要ブランド製品をテストし、ロボット芝刈り機の長所と短所を明らかにした。最も懸念すべき点は盗難の恐れがあること。誰かが簡単に持ち去ってしまう可能性があると指摘している。
ロボット掃除機に続き、ロボット芝刈り機が普及するのも時代の流れといえるが、CHOICEによると手入れが行き届いた芝生はオーストラリア人にとっての「誇り」。蝉の声をバックに音を立てながら芝刈り機を操作する光景は夏の風物詩でもあり、大きな娯楽でもある。そこに登場したのがロボット芝刈り機。便利さをとるか伝統をとるか賛否両論あるという。
CHOICEがテストしたのはHusqvarna、Stihl、Gardena、Worxなど主要ブランド6製品。その結果、芝刈り性能は満足できる水準で、「自動で芝を刈ってくれる便利さは大きな長所」とのこと。さらに音も会話レベル(60~70dB程度)と小さく、騒音を気にする必要がない。安全性も「子どもやペットを近づけない」との注意書きがあるものの製品には多くの安全機能が搭載されていて、取扱説明書に従って使用すれば問題がなかった。
一方、短所は高価なこと。テスト対象品は1299豪ドル(約10万8千円)~2999豪ドル(約25万円)だったが、数万豪ドルするものもある。芝の範囲が広くなるほど高額になり、その理由は大容量リチウムイオンバッテリーが必要になるからだという。また、ロボット掃除機と同様に、使用前に庭の整頓が欠かせない。おもちゃや障害物を片付けるのはもちろんのこと、大量の落ち葉や小枝が散乱しているとうまく機能しない可能性がある。そして、最も困るのは盗難。重量が6~15キロと軽く、誰かが持ち去ってしまう恐れがある。スマートフォンと同じく起動パスワードやGPS追跡などのセキュリティ機能を搭載しているが、盗まれてしまうと取り戻すのは困難。CHOICEは「フェンスに囲まれた庭で使用することを推奨する」としている。
買うかどうかの判断については「芝生を刈るのが嫌いで、お金に余裕がある人には便利だが、いまは完全に推奨するという段階にはない。伝統的な芝刈り機は健在で魅力的だ」と評価している。