米消費者団体が誤解を払拭 サツマイモの栄養を紹介し推奨

サツマイモは英語で「sweet potato」。直訳すると「甘いジャガイモ」となり、米国では炭水化物や糖分の塊のようなイメージを持つ人もいるという。米消費者団体コンシューマー・リポートは「実際は栄養価が最も高い野菜の一つ。炎症と戦い、免疫力を高める栄養成分が豊富で、完璧な食べものだと言っても過言ではない」と誤解を払拭し、秋の味覚として食生活に取り入れるよう推奨した。

名前に「potato」がつくが、サツマイモはヒルガオ科でアサガオと同類。一方、ジャガイモはトマトやピーマンなどのナス科の植物だ。甘いジャガイモのイメージによって炭水化物や糖分のみが注目されがちだが、ボストン大学のジョアン・サルゲブレイク博士は「中くらいのサツマイモは約140キロカロリーで食物繊維が5グラム。血糖値が上昇しにくい低GI(グリセラミック・インデックス)で、健康的な炭水化物食品とされる。刻んだクルミ(タンパク質)とオリーブオイル数滴(脂肪)をトッピングすると血糖値のバランス維持に役立つ」と解説した。

サツマイモの果肉の色は様々だが、オレンジのものはビタミンとミネラルが豊富。中サイズだと感染症と戦うビタミンAの1日分を補える。不足がちなカリウムも1日分の20%相当を含み、ナイアシンやビタミンCも多いという。黄色いサツマイモはビタミンAとC、カリウムが豊富。紫やオレンジ色のものは抗酸化物質フラボノイドを含んでいるという。

サツマイモは古くから世界中で食されており、コンシューマー・リポートは「紫芋は100歳以上の長寿の人が多く住む沖縄の伝統食だ」と解説。オレンジ色のものはアフリカの主食。カリブ海では、バタタ(Batata)と呼ばれる甘さの少ないサツマイモがマッシュポテトやデザートとして食べられていると紹介した。

コンシューマー・リポートやサルゲブレイク博士は「米国ではフライドポテトがサツマイモの一般的な調理方法だが、高い栄養価と自然な甘さを生かした、より健康的な調理方法を試してほしい」と強調。焼き芋、蒸し、スープ、スムージー、ローストといった調理方法を示し、一年を通じて食生活に取り入れてほしいと呼びかけた。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. パブリック・シチズン
    米国の消費者団体パブリック・シチズンのロバート・スタインブルック博士は11月21日、米食品医薬品局(c
  2. ETOC
    特殊詐欺グループと知りながら電話回線を提供する反社会的な電話事業者が存在することから、通信系の5団体c
  3. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  4. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  5. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る