電動車普及への課題 「価格高い」「近くに充電器ない」の声
- 2021/9/10
- くらし
電気自動車やハイブリッド車といった「電動車」の普及に向け、千葉県が課題を探るアンケート調査を実施したところ、「価格が高い」「自宅周辺の充電器や水素ステーションがない」などの意見が多数寄せられたことがわかった。補助金の交付や公共施設への充電器設置を求める声も多く、県は調査結果を今後の施策に反映させたいとしている。
電動車とは電気自動車(EV)、水素などで走る燃料電池車(FVC)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)のこと。国は2035年までに、新車販売で電動車100%を実現する目標を掲げている。そこで千葉県は今年7月、所有実態や普及に向けた課題を探るアンケート調査を実施。調査協力員300人のうち249人から回答を得た。
調査結果によると、電動車の所有率は20.2%で、内訳はハイブリッド車が19.9%、電気自動車が0.3%。最も多かったのは普通自動車で45.7%、次いで軽自動車(ガソリン)が19.9%、「自宅に車はない」が14.1%などだった。
今後、購入もしくは買い替える車を尋ねたところ、最も多かったのが「わからない」(24.9%)との回答。電動車をあげた回答は全体の45.4%で、残る29.7%が普通自動車(17.3%)もしくは軽自動(12.4%)だった。電動車の内訳はハイブリッド車が23.7%、電気自動車が16.9%、プラグインハイブリッド車3.2%、燃料電池車1.6%の順となった。
また、マイカーとして電動車を選ぶ際の課題を聞いたところ、「車の購入価格が高い」が23.1%と最も多く、次いで「自宅周辺に充電器や水素ステーションがない」が17.4%、「自宅への充電器の設置費用が高い」が15.0%と続いた。「1回の充電で走行できる距離が短い」(14.9%)、「充電の時間が長い」(11.3%)との意見も上位となり、自由意見としては「バッテリーの劣化が不安」、「電気を発電するのにかかる環境負荷との天秤はどうなのか」、「EVのバッテリー寿命及び再利用に係る技術革新が必要」、「電磁波が気になる」などの声も寄せられた。
県への要望として「車両購入の際に補助金を交付する」、「公共施設に充電器を設置する」との意見も多くあり、県は調査結果を今後の施策に役立てたいとしている。