スーパーの食料品宅配、最も新鮮だったのはテスコ 英団体調査
- 2021/8/26
- 海外
新型コロナ感染拡大により主要スーパーマーケットの宅配会員が大幅に増加する中、英国の消費者団体Which?は届いた食料品の鮮度を比較する覆面調査を実施した。最も新鮮だったのはテスコ、最下位はウェイトローズだった。同団体はピッキング作業の裏事情についても調査しており、作業者の一部は課せられたノルマがプレッシャーになっていると明かした。
Which?覆面調査チームは、主要スーパーのネット宅配で合計1000点以上の食料品を注文し、届いた食料品の賞味・消費期限の長さを比較する大規模調査を行った。
その結果、最も新鮮な食料品が届いたと評価されたのはテスコ。期限の残り日数は平均10.98日で、ほかのスーパーと比べて最も長かった。以下、アズダ(10.49日)、オカド(10.39日)、セインズベリー(9.60日)、モリソンズ(9.19日)と続き、最下位はウェイトローズの8.63日だった。各スーパーはネット宅配における鮮度方針を定めており、アズダは「配達日に期限を迎える食料品を送ることはしない」、テスコとオカドは「ウェブサイトで生鮮食料品のおおよその予想期限を表示する」、モリソンズは「少なくとも残り3日間(当日を含めて)持つことを目指す」などとしていた。
一方、消費者に代わって食料品を目利きするピッキング作業者の裏事情を調査した。その結果、多くの作業者は1時間当たりのピッキング件数のノルマが課せられており、プレッシャーになっていると報告。ピック率が悪いと警告を経て最終的には解雇されるため、期限が長い食品を探すよりもピック率の達成を優先すると明かした。
Which?の調査に対し、どのスーパーも「可能な限り長い日付の食品を選ぶよう作業者を訓練している」と回答したが、ノルマを課しているかどうかについてはモリソンズを除き回答を拒否。モリソンズは「我々はどのようにピッキングしているかを管理しており、(作業者一人ひとりではなく)店舗全体の目標値を掲げている」と答えた。
今回の調査において期限最終日の食品が届いたのは、セインズベリー、アズダ、モリソンズ。それぞれ1品ずつだったが、わずか数時間しか期限が残っていなかった。また、翌日が期限最終日の食品が届いたのは、セインズベリー(4品)、ウェイトローズ(3品)、モリソンズ(1品)の計8品。一部のスーパーでは電子メールで期限が迫っていることを告知していたが、これらの配達ドライバーが注意を促すなどの取り組みは行われていなかった。
Which?が6月に実施した消費者アンケート調査では、オンライン購入者の26%が「返品したことがある」と回答。鮮度や期限のほか、包装容器の破損に関するトラブルも目立ったという。