「通信販売」相談47%増、2年連続で最多 経産省消費者相談室

経済産業省消費者相談室が受け付けた2020年度相談件数は前年度比4.1%増の7742件となり、2年連続で増加した。

全体の6割強を占めたのが「特定商取引法関係」の相談で20.9%増の4948件、「先物取引関係」が420.0%増の52件と増加した。一方、「割賦関係」の相談は12.3%減の855件となり2年連続の減少。「製品関係」は7.2%減の428件となった。

特商法関係の相談を取引類型別でみると、「通信販売」が47.1%増の1795件となり、2年連続で最多となった。特に、定期購入に関する相談が前年度から374件増えて809件となり、商品としては「健康食品」が585件、「化粧品」が77件寄せられ、これらで8割強を占めた。

「通信販売」以外の取引類型で増加したのは「訪問販売」(7.5%増の1252件)、「電話勧誘販売」(25.1%増の718件)、「特定継続的役務提供」(3.1%増の628件)、「業務提供誘引販売取引」(44.0%増の108件)、「訪問購入」(29.2%増の124件)。一方、減少したのは「連鎖販売取引」(9.0%減の323件)だった。「特定継続的役務提供」では「エステティック」(254件)が最も多く、以下、「語学教室」(86件)、「美容医療」(80件)、「学習塾」(71件)などと続いた。

新型コロナ関連の相談も770件寄せられ、「マスク」が180件、「消毒液」が47件、「次亜塩素酸水・次亜塩素酸ナトリウム」が20件など。債務の支払いや企業との契約トラブルの相談も目立った。

また、ウェブ会議アプリを使った勧誘トラブルの相談が前年度から130件増加して145件へと急増。「ウェブ会議アプリケーションを使った無料セミナーで勧誘され、DVDを購入したが電話勧誘販売に当たるか」、「ウェブ会議アプリケーションを使った無料セミナーで勧誘され、DVDを購入したが電話勧誘販売に当たるか」などの事例が寄せられた。

経産省消費生活相談室には一般消費者に加えて、消費生活センターから法解釈に関する相談などが多く寄せられるのが特徴。相談事例は経産省内の担当各課に情報提供され、消費者保護行政を進めていく上での参考データとして活用されている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. パブリック・シチズン
    米国の消費者団体パブリック・シチズンのロバート・スタインブルック博士は11月21日、米食品医薬品局(c
  2. ETOC
    特殊詐欺グループと知りながら電話回線を提供する反社会的な電話事業者が存在することから、通信系の5団体c
  3. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  4. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  5. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る