香害は新たな「空気公害」 国民会議が31日に講演会開催

柔軟剤や香り付き合成洗剤などに苦しむ香害被害者が全国に7000人以上いるとされる問題をめぐり、NPO法人ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議(中下裕子代表理事)は7月31日、総会記念講演会「香害を考える」をオンライン開催する。

海外や日本の動きについて報告する国民会議の水野玲子理事は「バラの香りやラベンダーの香りなど、あたかも天然のイメージをかきたてられるが、家庭用品に添加される香りのほとんどが石油などから作られる合成香料で化学物質の塊。メーカーはごく微量なら安全な濃度があるという理論で安全性評価をしているが、百種類もの多くの香料などの化学物質を混ぜたときの複合毒性はわかっておらず、だから健康被害が生じてきている」と指摘する。

講演会では、すでに社会問題化している香害を取り上げ、自身が香害被害者でもある元稚内北星学園大学学長の斉藤吉広氏が「公害としての香害 柔軟剤で脈は乱れ、ペットは倒れる」をテーマに講演。被害内容やメディアの問題点などを報告する。

また、パンフレット「STOP!香害」を編集した国民会議の水野理事が海外や日本の取り組みを報告。米環境保護局(EPA)が安全な製品の認証としてフレグランスフリー製品を認証していたり、学校や病院などでフレグランスフリーの取り組みが進められていたりする事例を紹介する。一方、日本では地方自治体が香害のポスターを作成するなどの動きがみられるものの、「文部科学省官僚も“香りは個人の好みの問題”としており、化学物質の塊だということを理解していない」(水野理事)という。当日は有害化学物質への包括的規制を求める「環境安全基本法(案)」の請願署名活動への協力も呼びかける。

講演会は地球環境基金の助成により開催。7月31日(土)、13時30分~16時まで。Zoomウェビナーで開催し、参加費無料。参加人数に制限はなく、誰もが参加できる。要申し込み。詳細は国民会議ホームページ参照を。

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