東京都への悪質事業者通報件数26%増 処分・指導を実施
- 2021/7/7
- くらし
東京都が運営する「悪質事業者通報サイト」に寄せられた2020年度の「悪質事業者」通報件数は、前年度比26%増の824件だった。「誇大広告」通報窓口にも前年度比28%増となる170件の通報があり、どちらも大幅に増加した。都は通報をもとに悪質事業者3件の行政処分と60件の行政指導を実施。「消費者からの通報が悪質事業者の指導や処分、類似被害の防止につながる」として、積極的な情報提供を呼びかけている。
通報サイトには「悪質事業者」「誇大広告」「架空請求」の3つの窓口があり、スマートフォンやパソコンからいつでも通報できる。情報は取引指導課に集まり、専門チームが特定商取引法、景品表示法、消費者安全法、東京都消費生活条例に照らして違法性がないかを分析。被害の拡大を防ぐため、迅速な取り締まりや注意喚起につなげている。
昨年度は「悪質事業者」に関する通報が824件(前年度654件)あり、全体の50.4%が通信販売事業者に関するもの、次いで訪問販売事業者が21.8%と続いた。
通信販売では、「代金を振り込んだのに商品が届かず、事業者と連絡がつかない」など詐欺的通販サイトや「マスクを高額で転売していて違法だ」など新型コロナウイルス感染症関連の通報が目立った。また、訪問販売では家屋工事の勧誘に関するものが31.0%、アポイントメントセールスに関するものが28.9%と上位を占めた。
「誇大広告」に関する通報は170件(前年度133件)で、91%がインターネット広告に関するもの。品目では健康食品や化粧品に関する広告が29.4%あった。「口コミランキング第1位、満足度全国No.2などの表示があるが、根拠がないのではないか」「特別キャンペーンとあるが期間の定めがない。ずっと行っているのではないか」などの通報が寄せられたという。
一方、「架空請求」の通報は前年度の926件から596件と大幅に減少した。
都は通報をもとに悪質事業者3件の行政処分を実施。行政指導も60件(悪質事業者33件、誇大広告27件)行った。「相談窓口に相談するほどではないが、困った経験をした場合は、ぜひ情報を」と呼びかけている。