【米国】ロボコールとの戦い、新たな段階に 発信偽装見破る技術

発信者番号を偽装する違法なロボコール(自動音声による電話勧誘)が横行している問題で、米国連邦通信委員会(FCC)は6月30日、偽装を見破る新技術の導入を電話会社に義務付ける新たな規制を開始した。非営利団体のU.S.PIRGは「ロボコールとの戦いが新たな時代に入った。消費者は電話のディスプレイに表示される発信者番号を信頼できるようになり、かつての日常が戻ってくる」と歓迎するコメントを出した。

新技術は「STIR/SHAKEN」と呼ばれるもので、発信者番号の偽装を識別することができる。FCCは、原則すべての電話会社に対し、6月末までにインターネットプロトコル部分への導入を義務付けており、「今後はなりすまし電話が減り、詐欺師の特定も簡単になる」としている。

ロボコール遮断サービスを手がけるYouMail社によると、5月には40億回ものロボコールが発信され、5年前の2倍に増加していたという。また、U.S.PIRGによると今年5月、Amazonになりすましたロボコールによって、高齢者が12万4000ドルをだまし取られる事件も起きたという。

FCCは、今回の規制により、年間30億ドルの経済損失と年間100億ドルの消費者被害を回復できると試算。「医療機関や緊急通報を偽装するロボコールが減り、社会的な安全性が増す。消費者は電話に出ることができるようになり、医療関係者や企業、非営利団体からの有益な情報提供を受けることができる」とコメントしている。

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