キユーピー 魚料理の悩み解消、10分で完成する調理用ソース
- 2021/6/8
- 企業・商品
キユーピーは6月23日から、フライパンで10分加熱するだけでメインのおかずが作れる調理用ソース「鮭の蒸し焼き」3品を新発売する。スーパーの鮮魚コーナーなどに陳列し、魚の消費拡大にもつなげたい考え。調理前から調理後までの魚料理の悩み事を解消するため、異業種とコラボレーションし、共同プロジェクトチームも立ち上げた。8日、記者発表した長南収社長は「日本で初めてマヨネーズを発売した際、鮭やカニ、ホワイトアスパラガスといった缶詰を美味しく食べるソースとして提案した。キユーピーの食卓提案のルーツと縁の深い新商品で、ボリューム感のある魚料理を手軽に作れ、野菜もしっかりとれる調味用ソースとなっている」とアピールした。
魚の生産量は1984年をピークに低迷が続き、現在は三分の一まで減少してきた。しかし直近1年間は巣ごもり需要の拡大により、魚の食卓出現回数が伸長。それを牽引する魚種の一つが、子どもから大人まで幅広く好まれる鮭だという。キユーピーは「鮭を厚切りにすることで肉料理に匹敵する主役感のあるおかずになる」(藤原かおり上席執行役員)とし、野菜とともに手軽に鮭が楽しめる調理用ソースを開発した。
新商品「鮭の蒸し焼き」はフレッシュストック事業のブランド「わたしのお料理」からの登場。<ガーリックソース オリーブオイル仕立て>、<バジルソース パルミジャーノ・レッジャーノ入り>、<トマトのソース ブラックオリーブ&ケッパー入り>の3つの洋風ソースを用意した。スーパーの鮮魚コーナーに強い営業力を持つグループ会社ケイパックが販売を担い、売り場の活性化にもつなげる。
昨年4月から本格始動したフレッシュストック事業は、コロナ禍における新たな消費者ニーズに対応するため、スーパーの青果・精肉・鮮魚・総菜などの低温食材コーナーに専用商品を投入する戦略。今回の新発売で各売り場に全22品をラインナップした。長南社長は「スーパーでの買い物が回数が減り、生鮮コーナーだけを回って短時間に済ませる人が増えるなど、購買行動が大きく変化している。多様化するお客様ニーズへの対応力が求められている」と強調。グループの技術を総動員して、おいしさと日持ちの延長を兼ね備えた商品を提案し、「内食におけるお客様の不便やお困りごとの解消していく」と語った。
同事業の上期売り上げは12億円に達し、年度計画25億円の達成を見込む。コンビニを中心に展開する「そのままパクっと食べられる ゆでたまご」は取扱店舗が拡大し、供給が追い付かない状況。千切りサラダ専用ソースも好調で、7月には業界初の4連カップ容器入りゆでたまごのテスト販売が控える。
夏戦略の柱となる「鮭の蒸し焼き」3品は6月23日より出荷を開始。オープン価格だが、店頭想定価格は税抜き258円。すでに1000店舗での取り扱いが決まっており、藤原かおり上席執行役員は「魚料理は下処理の手間やレパートリーの少なさ、ボリューム感を出しにくい、後片付けが面倒などの悩みがあるが、新商品は魚料理を手軽に作れ、野菜もしっかり取れる調理用ソース。旬の魚や野菜を使って四季折々の魚料理を楽しんでほしい」と提案した。
新商品の発売に合わせ、魚の消費拡大共同プロジェクトも始動。P&Gの食器用洗剤ブランド「JOY」やABCクッキングスタジオ、水産卸の山治などとコラボレーションし、魚の栄養価や調理方法などを発信していく。