【米国】半導体不足で自動車は売り手市場 消費者に3つの選択肢

半導体不足により自動車メーカー各社が減産に追い込まれる中、米消費者団体コンシューマー・リポートは「今の自動車業界は売り手市場で、お目当てのモデルを購入するのは困難となっている。買い手が有利になる時期まで延期したほうがいい」と消費者に呼びかけた。同団体は3つの選択肢を提示し、「(入手しやすい)別のモデルを購入する」「購入を延期する」「所有車を修理する」ことを推奨。一方で売り手市場を逆手に取り「車を売るには最適な時期だ」とアドバイスした。

コンシューマー・リポートの自動車部門専門家ジェイク・フィッシャー氏は「現在は新車と中古車ともに供給台数が限られ、販売価格が高騰している」と指摘し、どうしても購入が必要な場合は需要の高くないモデルを検討するよう推奨した。同氏は「人気の四輪駆動SUVやピックアップトラックではないモデルが狙い目だ」とアドバイスする。

専門家によると、自動車には少なくとも2~3ダース(24~36個)のマイクロチップが搭載されており、ハイテク機能を備えた高級車ともなると100個以上が必要。昨年の米国新車販売台数は1400万台以上、前年は1700万台以上だったことから、年間数千億個のマイクロチップが欠かせないという。半導体不足の解消に向けインテル(Intel)が自動車向けチップを生産する方針を示したり、最大手の台湾TSMCが工場の増設を計画したりするなどの動きがみられるが、「少なくとも来年まで、おそらくそれ以上の間、新車の価格は下がらない」としている。

コンシューマー・リポートは「コロナ禍であまり車を使用しないのであれば今が売却する最適な時期だ」とし、売り手市場を逆手に取るのも賢い選択だと提案している。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. パブリック・シチズン
    米国の消費者団体パブリック・シチズンのロバート・スタインブルック博士は11月21日、米食品医薬品局(c
  2. ETOC
    特殊詐欺グループと知りながら電話回線を提供する反社会的な電話事業者が存在することから、通信系の5団体c
  3. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  4. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  5. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る