無印良品、全飲料をアルミ缶に 高いリサイクル率など重視

生活雑貨店「無印良品」を展開する良品計画は、販売する17種類のすべての飲料をペットボトルからアルミ缶に切り替えると発表した。4月23日から順次、全国445店舗で販売を開始。ペットボトル入り飲料は在庫がなくなり次第、店頭から消えることになる。良品計画は「アルミ缶は回収ルートがすでに整備されている上、リサイクル率も高く、賞味期限を延ばせて食品ロス削減につながる」と説明している。

無印良品の全飲料アルミ缶に

ESGのトップランナーを目指す良品計画。包装の見直しも社会的課題を解決する取り組みとして重要なテーマだとしている


23日からお茶や炭酸飲料など主力の12アイテムをアルミ缶に切り替える。残る5アイテムはすでに変更しており、今回の刷新ですべての飲料がアルミ缶での展開となる。

アルミ缶は事業者や自治体による回収に加え、学校や子ども会など地域の草の根回収が活発。リサイクル率は約98%と高く、缶から缶への水平リサイクル率も約67%にのぼる。また、遮光性や透過性が高く、酸化や退色を防げるほか、炭酸ガスが抜けにくいという特性を併せ持つ。このため賞味期限の延伸が可能となり、お茶では40日、炭酸飲料では90日のばすことができるという。

ただ、中身が見えず、商品の魅力をアピールするには工夫が必要。「素材感を感じられるよう植物のスケッチを加えるなどパッケージのデザインを見直した」という。

良品計画の嶋崎朝子執行役員・食品部長は「ペットボトルのリサイクルも進化しているが、現段階で選択すべき素材としてアルミ缶を選んだ」と説明。ラベルをはがすなどの分別が必要なく、キャップをつけたまま回収できるというシンプルさも理由にあげた。

アルミ缶への切り替えにより内容量や価格が変更され、実質的な値上げとなる。嶋崎氏は「ペットボトルほど量産体制が整っておらず、選択肢が少なかった」と説明。技術の進歩や販売拡大に伴い、提供価格の見直しを図りたいとしている。

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