冷凍メンチカツ、中を割って肉の色の確認を 食中毒予防
- 2021/3/12
- 食品
メンチカツやハンバーグなど冷凍状態で販売されている食肉調理品について、東京都が加熱不足による食中毒に注意を呼びかけている。近年、底の浅いフライパンを用いて少ない油で揚げ物をする調理方法が広がり、食中毒リスクが懸念されていた。都は調理方法をよく確認した上で、「表面の揚げ色や焼き色だけで火の通り具合を判断せず、必ず中を割って中心部の肉の色を確認してほしい」とアドバイスしている。
冷凍の食肉調理品は製造時に加熱されていない場合があり、調理方法や注意事項などをしっかりと確認することが重要。また、食中毒を引き起こす菌は冷凍状態でも生き残っているため、中心部までしっかり火が通ったかを確認する必要があるという。
都の実験では、フライパンを使って少量の油で揚げた場合、たっぷりの油で揚げた場合と比べて調理中の油温の低下が大きく、食材の中心温度の上がり方も緩やかだった。使用する調理器具や一度に揚げる個数、調理の仕方によって火の通り具合が異なるため、調理方法のとおりに揚げたつもりでも十分に火が通らない場合もあるという。
都は食品安全情報サイト「食品衛生の窓」の食品安全FAQページで注意喚起を実施。中心部分の加熱が十分でない冷凍メンチカツの写真を公開するなどして食中毒予防を呼びかけている。
冷凍メンチカツ(冷凍で流通する食肉調理品、いわゆるそうざい半製品)を巡っては2016年、腸管出血性大腸O157による食中毒が複数の都県をまたいで発生。60人を超す患者が出るなどした。