ワクチン接種後アナフィラキシー17件 厚労省 9日までに

厚生労働省は新型コロナワクチン接種後にアナフィラキシー(全身的なアレルギー反応)を示した症例が3月9日までに17件報告されたと発表した。すべて女性で20歳代から50歳代の医療従事者という。現在は回復している。喘息や高血圧、アレルギーの既往歴がある人がほとんどだが、これら基礎疾患などの無い人も2人含まれていた。

同省によると、喘息や甲状腺機能低下症の基礎疾患などを持つ30歳代の女性の場合、ワクチン接種後5分以内に咳が出た。その後、呼吸が早くなり、まぶたの腫れ、全身のかゆみなどの症状がみられた。治療後に症状は改善したという。

50歳代女性は、接種後30分以内に熱感や冷や汗、気分不良などの症状がみられた。この人は他のワクチンによるじんましん、医薬品・化粧品によるアレルギー既往があったという。現在は回復している。

動物アレルギーの既往歴を持つ30歳代女性は、接種後5分の時点でのどの違和感、体幹と両腕のじんましん、咳、息苦しいなどの症状がみられたという。投薬後に症状は回復したが、のどの違和感が再度みられたため入院。翌日症状は回復し、退院したという。

ワクチンとの関連性が「ある」と判断された患者は喘息や医薬品・食品・動物などによるアレルギーの既往があった。既往や基礎疾患の無い2人に対しても、接種後の症状が他の患者と似ていたことから「ワクチンとの関連あり」と診断された。

同省「薬事・食品衛生審議会」の専門委員は、「接種後30分から症状の発現がみられた方もいることから既往歴がある場合には接種医や被接種者への十分な情報提供が必要」「食物アレルギーを持つかたも問診票に必ず記載していただくとともに、接種する施設での対応体制を整備しておくことが必要」と指摘している。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る