欧州、危険な製品2253件に警報 消費者団体は「氷山の一角」

欧州委員会は3月2日、危険な製品を知らせる警報システム「セーフティゲート(Safety Gate)」の2020年報告書をまとめ、昨年は2253件のアラートを出したと発表した。

これを受け、欧州各国の消費者団体でつくるBEUCは同日、「残念ながら多くの製品がセーフティネットをすり抜けている可能性があり、報告された数字は氷山の一角だ」とするコメントを発表。2001年発効の一般製品安全指令(GPSD)は時代遅れだとして法改正を求めた。

EU報告書によると、警報を発した製品の9%を新型コロナ関連製品(マスクや手指消毒剤、UVランプなど)が占めた。製品カテゴリー別では玩具(27%)、自動車(21%)、電気製品(10%)などの順。リスク別ではけが(25%)、化学成分(18%)、子どもの窒息(12%)などが上位となった。

EU幹部は「安全でないマスクや有毒な消毒剤などを市場から排除し、昨年はオンライン通販市場の監視も強めた」とセーフティゲートの効果を強調したが、BEUCは「オンラインでの買い物が当たり前となり、様々なスマート(IoT)製品が簡単に手に入る時代になっているのに法律が追い付いていない。消費者は安全を求めており、将来を見据えた迅速な法改正を期待する」と指摘した。BEUCや各国消費者団体のこれまでの調査では、オンライン上に多数の違反製品が出回っていることが確認されている。

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