バイデン新大統領、環境対策を重視 消費者団体は歓迎の声明
- 2021/1/21
- 海外
米民主党のジョー・バイデン氏が1月20日、第46代大統領に就任したことを受け、主要な消費者・非営利団体が歓迎する声明を出した。バイデン大統領は就任初日に、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」への復帰手続きに入るなど、環境分野を中心に前政権からの政策転換に乗り出している。
コンシューマー・リポートは、バイデン大統領が排ガス・燃料基準の再強化を指示したとの報道を受け、「消費者にとって朗報だ」との声明を発表。「これは始まりに過ぎず、基準の再強化はガソリン代の大幅な削減と環境汚染の低減をもたらす。消費者の86%は自動車メーカーが燃費を改善し続けるべきだと考えている」とコメントした。
パブリック・シチズンは「トランプ政権下の有害な規制緩和について、バイデン大統領が廃止する方針を示したことを称賛する」と発表。「科学、証拠、専門知識に基づく強力な施策で国民を保護する姿勢を示しており、企業よりも公益を優先させると公約したバイデン政権に期待したい」とエールを送った。
憂慮する科学者同盟(UCS)はパリ協定への復帰方針を評価。「トランプ政権が国に与えた損害を回復させるのは大変な仕事だが、気候変動を最重要課題と位置付けるバイデン大統領の大胆なビジョンを歓迎する」とし、「気候変動対策の青写真を実現させるには再生可能エネルギー、輸送システムの電動化など、科学、経済、農業、公衆衛生など幅広い分野での強力なアプローチが必要。今後4年間の取り組みを楽しみにしている」とコメントした。
公益科学センター(CSPI)は、トランプ政権が学校給食からジャンクフードを排除する栄養基準の改正に取り組まなかったことを批判。コロナ禍で約3千万人もの子どもたちが学校給食に頼っている現状を示し、「我々はバイデン大統領がオバマ政権における副大統領として学校給食の強化を進めたことを知っている。コロナ危機のいま、子どもたちが無料で栄養価の高い学校給食を食べられるよう決断してほしい」と要請した。
U.S.PIRGは、環境保護と気候変動に関する方針表明を歓迎し、「この4年間、環境対策は後退したが、今日、バイデン大統領の決意と行動が示された。私たちの子どもたち、孫たちのために、より健康で安全な未来が築かれることを願っている」と発表した。
環境対策でスタートダッシュを決めたバイデン大統領だが、各団体が政権に求めてきた施策はいずれもハードルが高いものばかり。公約が果たされるかどうか今後の行動を注視していくとしている。