【米国】偽造ハチミツ「買わないで」 固まるのは本物の証
- 2021/1/15
- 海外
植物性シロップなどを混ぜた粗悪な「偽造ハチミツ」が数多く流通しているとして、アメリカの古参消費者団体「全米消費者連盟」(NCL)が本物のハチミツを選ぶよう消費者に呼びかけている。粗悪品が大量に出回ることでハチミツの価格が下落し、養蜂家の経営を圧迫。さらに養蜂家の減少でミツバチの受粉活動が減り、農作物の生産に大きな打撃を及ぼしかねない状況だという。NCLは「ハチミツは偽造されやすい食品の一つ。養蜂家、食料供給システム、市場を守るため、消費者は本物を購入する必要がある」と訴えている。
米コンサルタント会社Grand View Researchの試算によると、ハチミツの市場規模は年々拡大しており、2020年の世界市場は97.9億ドルに達する。一方で、偽造されやすい食品としても知られ、植物性シロップを加えた中国産の粗悪品が検査をすり抜けて大量に流通。NCLは「米国や世界中の消費者はだまされており、購入したハチミツが本物かどうかを判断する方法を知る必要がある」と指摘する。
純粋なハチミツは冷暗所に一定期間保管すると結晶化するほか、水に落としても混ざりにくいという特徴がある。また、純粋なハチミツを電子レンジで1分間加熱するとカラメル化するが、混ぜ物をしたハチミツは泡立つという。
健康志向の高まりを受け、砂糖・甘味料の代替品として世界的に需要が高まるハチミツだが、粗悪品の大量流通で価格が下落しており、養蜂家が適正な利益を得にくい状況になっている。さらに養蜂家やミツバチの個体数の減少により受粉活動が低下。農作物の生産に大きな影響を与える恐れがあり、NCLは「偽造ハチミツがもたらす食料システムへの脅威は、もう一つの大きな問題だ」と指摘している。
同団体は「信頼のできる業者から本物を購入することが消費者に求められている」と訴えている。