【米国】自動車事故減少続く 潤う保険業界に保険料返還を要求
- 2021/1/6
- 海外
新型コロナウイルス感染拡大の影響で自動車事故の減少が続き、保険会社が巨額の利益を上げているとして、アメリカ消費者連合(CFA)などが自動車保険料のさらなる返還を要求している。多くの保険会社は4~5月にかけて返金措置を実施したが、その後も利益を積み上げていることが決算報告などで判明。CFAは「前回の返金額では不十分。保険会社は経済的に苦しむ消費者にもっと恩返しする必要がある」と指摘している。
CFAなどによると、自動車保険大手のプログレッシブは2020年4-9月期に33億ドルの利益を積み上げた。これは前年同期の82%増(15億ドル増)となり、12月4日には株主への年間配当額を約2倍の1株当たり4.5ドルにすると発表した。また、大手のGEICO(ガイコ)も4-9月期の税引き前利益が3倍の23.4億ドルになるなど、主要各社はいずれも好決算をたたき出していた。
さらに各社は好決算の理由について、「パンデミックにより自動車の利用が減り、事故に対する補償請求が減ったことが要因だ」などと決算報告の中で強調。新型コロナによる特需を認める記載をしていた。
各社が4~5月に実施した払い戻しの返金率は保険料の約15~20%だったが、CFAなどは約30%を払い戻すのが妥当だったと指摘。「(返金後も)自動車事故の減少は全国的に広がり、かつ継続的であることがデータで示されている。感染拡大が深刻さを増す中、過剰な保険料を返金する救済措置を取るべきだ」と要求している。