伊藤明子消費者庁長官 社会のデジタル化、消費者保護前提に🔓
- 2021/1/5
- くらし
【新春特別インタビュー】悪質コロナ便乗商法排除 利用しやすい公益通報制度へ
長引くコロナ禍は「触れあい」「つながり」「会話」など、消費生活の大前提を直撃し、日常生活に重大な影響を与え続けている。社会のデジタル化が志向される一方、超高齢社会の到来は、新たな消費者問題発生の可能性を示唆している。年間90万件台の高水準で寄せられる消費生活相談内容は、コロナ禍を反映して深刻度を増しているようだ。消費者の不安感に乗じた悪質商法も目立つ。このような事態に消費者庁はどう対応していくのか。ニッポン消費者新聞は、新年を迎えるにあたり消費者庁・伊藤明子長官にインタビューし、課題への取り組みや今後の方針・展望を尋ねた。伊藤長官は「消費者目線に立ち、消費者に寄り添い施策を展開していくことが消費者庁に期待されている。この社会的要請に十分応えられるよう一生懸命、耳を傾け、前へ進むことをめざす」とし、「消費者庁としての、仕事人としての取組とともに、生身の人間として消費者問題に対応していくことにも心がけたい」と方向性を示唆している。
◎コロナ禍対応、迅速に実施
消費者行政には、豊かな消費生活の実現へ向け適正・迅速に施策を遂行していくことが期待されています。その意味で新型コロナウイルス感染症への対応は重大な課題です。
長引く「コロナ禍」は、消費生活に深刻な影響を与えています。身近な生活環境で様々な課題が提起される中、現在、政府・行政一丸となって対応に取り組んでいます。消費者庁としては施策推進に際して、二つの視点が重要と考えています。
一つは、「だまされない消費者」の育成です。具体的には、悪質なコロナ便乗商法などの監視・取り締まりと、それを踏まえた消費者への迅速な注意喚起情報の積極的発信です。便乗商法については、証拠と法に基づき、不当表示、不当勧誘などの悪質事業者の排除を今後も積極的に進めていきます。
もう一つは、連携の重要性を周知徹底していくことです。コロナ禍だからこそ、消費者と各省庁、地方公共団体及び事業者との連携が重要となります。表層的な「今だけ」「ここだけ」「自分だけ」という考えからの脱却、消費者と事業者が協働して…(以下続く)
(本紙1月1日新年号より一部転載)
◆この記事の続きは以下の会員制データベースサービスで購読できます
📌ジー・サーチ データベースサービス
📌日経テレコン