【米国】硝酸塩「無添加」表示、禁止の意向 農務省が見解

ハムやソーセージなどの一部に「硝酸塩を添加していない」旨の表示が行われている問題で、米国の非営利団体「公益科学センター(CSPI)」などは12月11日、農務省(USDA)が無添加表示を禁止する意向を示したと発表した。CSPIやコンシューマー・リポートなど複数の消費者団体が「無添加表示は消費者の誤解を招く」として、政府に禁止措置を求める運動を展開していた。

硝酸塩(もしくは亜硝酸ナトリウム)はハムやソーセージなどに広く使われる添加物で、発色や腐敗防止、風味付けなどの効果がある。野菜にも硝酸塩が含まれるため、加工肉にセロリ粉末を用いる事業者が登場し、「硝酸塩/亜硝酸塩は添加していません」「亜硝酸ナトリウムで硬化していません」などと強調表示をするなどしていた。

CSPIなどは「野菜由来の天然成分であっても硝酸塩として使われているものであり、無添加表示は競合他社の製品よりも健康的だという誤った印象を消費者に与える」と指摘。農務省に禁止措置を求める要望書を提出していた。

12月10日付の農務省からの回答書によると、硝酸塩に関する無添加表示を禁止する規則作りを進めると表明。一方で、消費者団体が同時に求めていた、すべての硝酸塩使用食品(セロリ粉末含む)のパッケージ前面と原材料欄に「硝酸塩使用」表示を記載する案については、「必要ない」と難色を示したという。

CSPIなどは「我々の要求が一部認められたことは一歩前進だ。しかし、硝酸塩の使用を明確に表示する案は採用されず、どの肉が硝酸塩で処理されているのかを消費者はすぐに認識できない状況だ」と指摘している。

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