【米国】ホメオパシー製品の表示改善へ 市販薬と明確に区別

米非営利団体の公益科学センター(CSPI)は11月23日、伝統的な代替療法「ホメオパシー」の関連製品を販売するBoiron社との間で、表示の改善についての合意が成立したと発表した。消費者が市販薬と誤解しないよう「FDA(米食品医薬品局)が承認した医薬品ではない」旨を大きく表示する。同社が販売する50製品以上に適用される。

合意を受け、CSPIは「ラベルの変更により、ホメオパシー製品と市販薬が明確に区別され、製品の宣伝文句に医学的根拠がないことが一目で伝わるようになる」とコメントした。

製品の表面に「ホメオパシー医学(HOMEOPATHIC MEDICINE)」と大きく表示して医薬品との区別を図る。裏面の免責事項欄には、フォントを工夫するなどして「伝統的なホメオパシー療法には医学的根拠がなく、FDAの審査も受けていない」と目立つように記載する。CSPIは「ラベルの改善は、消費者が治療法を選択する際に重要な役割を果たす」と強調。他のメーカーも追随するよう呼びかけている。

ホメオパシーは18世紀後半に始まった伝統的な民間の代替療法。欧米を中心に現代まで伝わってきたが、米政府機関のアメリカ国立補完統合衛生センター(NCCIH)は「ホメオパシーが効果的な治療法であることを示す科学的根拠はほとんどない」「有効成分をほとんど、もしくはまったく含んでいない製品であり、どのように効果を発揮するのか科学的に説明することはできない」などの見解を示している。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. パブリック・シチズン
    米国の消費者団体パブリック・シチズンのロバート・スタインブルック博士は11月21日、米食品医薬品局(c
  2. ETOC
    特殊詐欺グループと知りながら電話回線を提供する反社会的な電話事業者が存在することから、通信系の5団体c
  3. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  4. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  5. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る