主婦連元会長・清水鳩子さん逝去 96歳 「連帯こそ武器」

72年前の主婦連合会創設に参画し、戦後の消費者運動の一翼を担われてきた清水鳩子さんが11月14日、静かに目を閉じられた。96歳。主婦連合会の事務局長、副会長、会長を務められた後に、主婦会館の館長となり2018年に全ての職務を辞されて静養されていた。

主婦連元会長・清水鳩子さん

清水鳩子さん (2010年4月撮影、主婦連合会/主婦会館提供)

清水さんはニッポン消費者新聞の30年来の読者だった。一つひとつの記事についてハガキや電話で感想を寄せていただいた。「台所と政治の直結」をスローガンに掲げた主婦連運動を大衆運動へとけん引した1人だっただけに記事への感想は常に正鵠を射ていた。

主婦連のシンボル「おしゃもじ」には、敗戦後の混乱期、GHQに解散させられたまま婦人団体もなかった頃に発足した主婦連の原点が凝縮されている。清水さんは「豊かな食料をよそう主婦の願い」「たたかいとる意の、めし取る心」を示していると話してくれた。

取材のときに常に強調されたのは消費者の連帯の必要性だった。草の根グループはじめ各団体との運動の共有、少しでも協力し合える点を見出すこと、大局に立って信頼し合うことが大切、と話されていた。

主婦連創成期の物価調査では調査資金が乏しく、紙代もままならないために食料品価格をチラシの裏に毎日記載し、物価の推移を調べたことも。そんな「何もないところから創造してきた」ことを自らの運動の原点と説明されていた。

2年前に、高齢となったかつての消費者運動の仲間たちと今後の消費者運動を語る懇談の機会を設定して欲しいとニッポン消費者新聞に提案された。その約束を果たすことができないまま逝去されたことが弊紙の心残りである。

会うといつも笑顔で「理屈よりもハート、スマートさよりも熱意、その視点が現代の消費者運動にこそ必要」と熱っぽく語られていた姿が偲ばれる。

(本紙12月1日号より転載)

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