段ボール1箱分が数十円 宅配買い取りサービスのトラブル

国民生活センターは11月9日、「不要になった品物を買い取ります」とウェブサイトに掲載し、消費者が売りたいものを梱包して宅配で送付し、事業者に買い取ってもらう「宅配買い取りサービス」について、「苦情が増加している」として事例を公表。消費者に注意を喚起した。

このサービスは買い取り事業者がウェブサイトサイトで「本や、衣類、ゲーム機など、不要になったものを買い取ります」と宣伝し、それを見た消費者が売りたいものを梱包して宅配便で事業者に送付、送られてきた物品を事業者が査定し、消費者の指定口座に入金して買い取るというもの。非対面契約であることから、もともと消費者と事業者の認識にギャップが生じる可能性を持つ契約形態。

国民生活センターによると、同サービスに関する苦情相談が各地の消費生活センターなどに目立って寄せられるようになった。2011年度に132件の相談が昨年度には314件と急増、今年度でも9月末現在ですでに251件となっている。この取引では、消費者が送付する品物は漫画本や書籍類、衣類、DVDソフトやCDソフトなどが上位という。

相談事例を見ると、事業者のウェブサイトに記載された目安の買い取り価格とかけ離れている、査定結果の連絡がこないままに低い査定金額で入金された、査定額が低すぎるので返送を要請したら品物を紛失したと言われた、返送されてきたものが汚損されていた、など多岐にわたっている。消費者は、ウェブサイトサイトでの高額な査定額を予想して、品物を送る、だがのちに期待通りではないことがわかり、トラブルとなる。消費者の手元に品物がないことが、交渉段階では消費者の不利となる。

当該宅配買い取り業者は、古物営業法に基づく古物商として規制を受けるが、国民生活センターによると、「古物営業法は、盗難品の売買や流通を規制するもの。直接の消費者保護策はなく、サービス自体も特定商取引法の規制外。クーリングオフもないことから、消費者は十分な注意が必要」としている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 全相協公開シンポジウム
    ◎「サプリメント形状食品の規制必要」との意見も 全国消費生活相談員協会(全相協)は11月15日、秋c
  2. ニッポン消費者新聞2024年1月号
    特集 健康食品110番に350件超 全相協、シンポジウムで報告 機能性食品は21件 ~c
  3. パブリック・シチズン
    米国の消費者団体パブリック・シチズンのロバート・スタインブルック博士は11月21日、米食品医薬品局(c
  4. ETOC
    特殊詐欺グループと知りながら電話回線を提供する反社会的な電話事業者が存在することから、通信系の5団体c
  5. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る