食“財”と向き合い、使い切る工夫を 多摩センターで食育講座
- 2020/11/20
- 食品
買いだめした食材を美味しく食べ切るヒントを紹介する食育講座が11月19日、東京都多摩消費生活センター(立川市)で開催された。食品ロス問題に詳しい料理研究家、行長万里さんは余らせがちなドレッシングやホットケーキミックスなどを別の料理に生まれ変わらせるアイデアレシピを披露し、「食材は食“財”。コロナで食材と向き合う時間が多い今こそ、食品ロスを減らすために何ができるかを見直してほしい」と呼びかけた。
同センターでは例年、食育講座をテーマごとに複数回実施してきたが、今年度は新型コロナ感染拡大の影響により今回が初の開催。検温やソーシャルディスタンスなどの感染防止対策が取られる中、14人の消費者が参加した。
日本では1人1日当たりおにぎり1個分(約132グラム)の食品ロスが発生している。行長さんは「食べ物を大切にしたいという本来の気持ちに立ち返ってほしい」と呼びかけ、食材を食“財”としてとらえるよう提唱。「お金だと思って使い切り、食べ切ることが大事。買った以上はそれを生かすことが使命だ」と強調し、余りがちな食材を使ったアレンジレシピを次々と紹介した。
余ったドレッシングはフランスパンにつけて焼き、ラスク風に食べることを提案。子どもたちに人気なのがドレッシング寿司で、炊き立てのご飯にイタリアンもしくは醤油ベースのドレッシングを加えて混ぜ、海苔や野菜で巻いて食べる。ハムやチーズを入れると美味しいという。
開封後、あまり日持ちしないごまだれは雑炊に。コーンポタージュの素は小麦粉と混ぜて、そぎ切りした鶏むね肉にまぶし、フライパンで焼くとコーンチキンが完成する。行長さんは「原材料欄で使われている素材を確認してレシピを組み立てていくとアレンジしやすい」とアドバイス。WEB検索すると行長さんの多彩なアイデアレシピを閲覧できるという。
行長さんは「コロナで食材と向き合う時間も増えている。これを機に買いすぎず、使い切るために何ができるかを見直してほしい」と話し、アイデアレシピを参考にして工夫と実践を呼びかけた。