ネット通販はクーリング・オフ対象外 「知らない」が44%

一定期間内であれば無条件に解約できる「クーリング・オフ制度」について、インターネット通販には適用されないことを知らなかった人が4割以上いることが、愛知県のアンケート調査でわかった。今後、ネット通販・フリマサービスの利用を増やす意向の人も多く、県は明日(19日)開く「消費者・事業者懇談会」で課題などを報告し、トラブル防止に向けて意見交換する方針だ。

8月~9月、147人に行ったアンケート調査によると、ネット通販の利用経験者は75.5%、フリマサービスでの購入経験者は26.9%、フリマサービスでの出品経験者は21.4%だった。

「新しい生活様式」が示された5月前後からの利用頻度について、「従来と比べて増えた」との回答はネット通販が22.6%、フリマ購入が6.2%、フリマ出品が6.2%。また、今後の予定として「現状よりも増やしたい」との回答もネット通販が19.2%、フリマ購入が7.8%、フリマ出品が13.8%となり、コロナ下での利用頻度に変化がみられる結果となった。

「これまでに経験した、あるいは見聞きしたことがあるトラブル」を尋ねたところ、ネット通販では「実際に届いた商品が想像していた商品と異なった」が29.2%と最も多く、「一度だけお試し購入したつもりが、定期購入になっていた」(19.6%)も上位にあげられた。

フリマでは、「自分の想像より悪い状態、もしくは偽物が届いた」(29.1%)や「購入した商品が届かない」(17.0%)とする回答が多かった。

また、クーリング・オフ制度そのものを知らない人が10.4%いたほか、「知っている」「聞いたことがある」と回答した人のうち44.3%がネット通販には適用されないことを知らなかった。一方、フリマについては「当事者間でのトラブル解決が原則」であることを25.6%の人が「知らない」と回答していた。

明日の懇談会には、アンケートに協力した県消費生活モニターや県消費生活審議会委員、全国消費生活相談員協会中部支部が参加。業界から日本通信販売協会、EC事業者協議会が参加し、トラブル事例や安全な利用方法などについて意見交換するという。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る