コロナで食事ままならず 米国人の2割がフードパントリー利用

コロナ禍で失職するなどして生活が困窮し、米国人のおよそ5人に1人がフードパントリーやフードバンクを利用していることが11月2日、消費者団体コンシューマー・リポートの最新調査でわかった。約半数がこの1年間に食品提供プログラムを利用していない新規利用者で、担当者は「この状況は2008年の金融危機よりも壊滅的だ」とコメント。「食事がままならない場合は恥ずかしがらずに援助を受けてほしい」と呼びかけている。

全国2000人以上の成人を対象とした最新調査によると、パンデミック発生後、19%の人がフードパントリーやフードバンクなどの食品提供施設を利用し、そのうちの約半数がこの1年間に食糧援助を受けたことのない新規利用者だった。生活困窮は有色人種で深刻化していて、アフリカ系米国人の35%が食料援助を受け、そのうちの36%が新規利用者だった。ヒスパニック系米国人の利用割合は22%だったが、新規利用者は61%にのぼった。一方、白人の利用割合は15%で、新規利用者は約半数だった。

米国最大の飢餓救済団体Feeding Americaによると、今年3~6月のフードバンク新規利用者は全体の約40%で、8月までの総利用者数は前年比60%増と急増した。パンデミックにより現在、子ども1700万人を含む5000万人が食料不安に陥っているという。

フードパントリーやフードバンクはすべての食料を寄付で賄っているわけではなく、不足分を市場からのまとめ買いで調達している。調達価格はパンデミック前の1ポンド(約453グラム)当たり87セントから現在は1.1ドルと26%も高騰。輸送コストや梱包費用も値上がりしており、資金不足で運営担当者が解雇される悪循環に陥っているという。

冬は食料不安が最も高まる時期にあたり、コンシューマー・リポートは余裕のある消費者に対し、飢餓救済団体へのボランティアや支援を呼びかけた。現金での寄付を優先し、食品を提供する場合はたんぱく質の豊富な常温保存可能な食品(豆の缶詰、ツナ缶、ナッツバター、全粒パスタなど)が喜ばれるとした。

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