【豪州】企業に「残念賞」、14年で118件 受賞後に改善も

消費者に損害を与えた製品やサービスを表彰する「ションキー・アワード2020」の発表を前に、主催する豪州消費者団体CHOICE(チョイス)は11月5日、受賞後に問題点が改善された事例を紹介した。高額なクレジットカード手数料や患部に直接作用するとうたう鎮痛剤など5事例を示し、「いずれもションキー・アワードが消費者に勝利をもたらした」と称えた。

ションキー・アワードは2006年に始まった表彰制度。水洗浄よりも汚れが落ちない洗濯用洗剤や魚使用量が半分以下の冷凍フィッシュ加工品など「粗悪な(Shonky)」製品・サービスを表彰し、同団体サイト「恥の殿堂」ページにリスト化してきた。殿堂入りした製品・サービスは14年間で118件にのぼり、受賞後に改善された事例も多いという。

チョイスが「消費者の勝利」として紹介した事例は5つ。

航空業界で広がっていたクレジットカード手数料上乗せ問題では、2009年にカンタス航空を表彰。長い改善要求キャンペーンの末、16年に法律が改正され、必要コストを超えた金額を消費者に請求することが禁じられた。

また、2010年に表彰した鎮痛剤「Nurofe」は不当表示を問題視。医薬品メーカーは片頭痛用、腰痛用、生理痛用と称して数種類の製品を販売し、「特定の部位を狙い撃ちして痛みを軽減」と宣伝していた。しかし、実際はいずれの製品も同一の有効成分が使われていて、体全体に作用する鎮痛剤であることが判明。6年後に規制当局が違法認定し、罰金600万豪ドル(約4億5千万円)が科せられた。

そのほか、同団体が性能の低さを指摘したサムスン製洗濯乾燥機はその後、販売中止に。虚偽表示をしていたチケット転売サイト「viagogo( ビアゴーゴー)」には、後に罰金700万豪ドル(約5億3千万円)が科せられた。2010年から11年にかけて起きた大規模洪水では、保険会社の補償が各社でばらばらだったことを問題視。保険規約の修正につながったという。

チョイスは10日にも今年の受賞企業を発表する予定。昨年は電気代が高くつき、保冷性能に劣るイケア製冷蔵庫、砂糖過多の子ども用シリアルなど6件にションキー賞を贈った。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る