機構関西、「カンゾコーワ」の表示を問題視 停止求め申し入れ

特定適格消費者団体の消費者支援機構関西(大阪市)は9月3日、健康ドリンク「カンゾコーワドリンク」と粒タイプ「カンゾコーワ粒」の広告表示に景品表示法上の問題があるとして、名古屋市の専門商社「興和」に対し、改善を求める申し入れを行った。2019年8月以降、3度に渡り表示に関する問い合わせを行ってきたが、「問題がなお解決されない」と判断し、申し入れに踏み切った。

カンゾコーワ申し入れ

2018年10月に発売されたカンゾコーワの飲料・粒タイプ。機構関西は容器の表示についても問題視している(商品画像は興和プレスリリースより)

申し入れ書などによると、機構関西が問題視したのは、容器やCM、興和ウェブサイトなどに記載されている▽「飲み会」を科学する11種の成分▽よく飲む人に▽医薬品メーカーが飲み会を科学しました▽飲むぞ!行くぞ!Kanzo!――など複数の表示。

カンゾコーワには肝臓加水分解物やウコン抽出物などの成分が含まれているが、機構関西は「それらの成分を摂取したとしても、アルコールが分解されたり、二日酔いが防止・緩和されたりすることはない」と主張。カンゾコーワを消費者が摂取しても、こうした効果・効能を得られるわけではないと指摘した。

また、容器や広告などで使われている「飲み会」という表現についても問題点をあげた。「消費者が飲み会という表示を目にすれば、アルコールを摂取することを主な目的とした集まりを連想することがほとんど」だと強調。カンゾコーワが飲み会参加者にとって特にメリットがあるかのような印象を抱かせるものだ、などと指摘した。

機構関西は、こうした表示が景品表示法で規定する「実際よりも著しく優良であると誤認される表示」にあたるとして、表示の停止を求めた。回答期限は10月2日で、差止請求訴訟も視野に入れながら協議を進めていく方針だ。

(本紙「ニッポン消費者新聞」10月1日号より転載)

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る