【欧州】広がる食品評価アプリ 高脂肪食品を推奨するものも

欧州では、栄養価や加工度などを基に独自の基準で食品をランク付けする「食品評価アプリ」が多数登場している。その中に高脂肪・高塩分・砂糖過多の食品を推奨するアプリがあるとして、フランスの消費者団体UFCが問題視している。アプリの評価が食品メーカーの宣伝に利用されている可能性もあり、同団体は「(評価は)あまりにも差別的で消費者の健康に役立たない」と指摘している。

UFCによると、欧州で人気のあるアプリはYuka、OpenFoodFacts、MyLabel、Siga(ポルトガル語で「フォローする」の意)など。このうちSigaは食品の加工度を4段階で評価する「NOVA分類」をベースに開発されたアプリで、独自の評価基準で食品を7段階でランク付けしている。高い評価を得た食品についてはカテゴリーごとに金メダル、銀メダルを授与し、消費者に推奨するなどしていた。

しかし、UFCの調査では、100グラム当たり39.2グラムの砂糖と23.4グラムの脂肪を含むクッキーに金メダルを与えていたことが判明。このクッキーは、政府が主導する食品評価ラベル「Nutri-Score(栄養スコア)」でC判定(5段階の上から3番目)となっていた。また、脂肪60%のフォアグラや脂肪100%のココナッツオイル(どちらも栄養スコアは最低のE判定)にも金メダルを授与していることが明らかになった。

UFCや栄養学の専門家らは「アプリは加工工程でどの程度糖や脂肪、塩が添加されたかを評価対象にしており、最終的な総含有量を考慮していない。このアプローチによる評価は栄養バランスを無視していて、消費者に誤解を与える」と問題視した。一方、Sigaの代表者は「超加工食品を見つけ出すことに主眼を置いている」などとUFCに回答し、分析結果の正当性を主張しているという。Sigaでは、すでに1万点以上の食品にメダルを授与しているという。

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