【香港】電気機器での豊胸、医学的根拠なし 消費者団体調査
- 2020/9/16
- 海外
外科的な治療や注射を行わず、電気治療器を用いて豊胸をめざす美容サービスが人気を集める中、消費者団体の香港消費者委員会は9月15日、「料金や治療の説明が不十分で、医学的根拠も明確ではない」とする覆面調査結果を報告した。不適切な施術によって、やけどの危険性があったほか、高額な健康食品を勧められるケースもあったという。消費者委は「無料トライアルや特別オファーなどの販売戦略に乗せられず、施術が本当に必要なのかを冷静に検討してほしい」と呼びかけている。
電気治療器による豊胸サービスには「マイクロカレント」「ラジオ周波数」「赤外線」「脂肪移動」「真空吸引」など様々な施術があるが、形成外科の専門医によると、いずれも医学的根拠がないという。乳房の発達は体内のホルモンレベルによって決まり、思春期が終わる頃までに完了。外科的な治療を除いた豊胸施術には「乳房を大きくするという医学的な証拠が不十分だ」とコメントした。
また、一部の健康食品が豊胸に効果があると宣伝されているが、専門医によると、やはり「医学的根拠に欠ける」との回答。これらの食品にはエストロゲンや生薬が含まれる場合があり、乳がんや不妊症のリスクを高めたりする可能性があり、長期間の摂取は健康を害する危険性があるという。
消費者委には過去3年間に計20件の苦情があり、100万香港ドル(約1350万円)以上を支払った事例もあった。「効果がない」「返金してほしい」と訴えるケースがほとんどだったという。豊胸サービスの宣伝には「初回無料」「超低価格」などの価格的な文言のほか、「乳房細胞を再構築」「コラーゲン増殖を活発化」「ブースト」「増強」「引き締め」など医療的な文言も多数使われているため、消費者委は「業者の一方的な説明を盲目的に信じずに、乳房に問題がある場合は信頼できる専門医に相談してほしい」と呼びかけている。