【米国】デジタル分野の精鋭5人を配属、IoT機器などテストへ

消費者情報誌を発行し、世界最大級の商品テスト機関でもある米国消費者団体コンシューマー・リポートが昨年設立した研究機関「デジタルラボ」に、5人の研究員(フェロー)が配属された。いずれもIoTやAIに精通し、第一線で活躍する専門家たち。デジタル分野の消費者保護と基本的な権利に焦点を当てたテストツールの開発や情報発信などを担う。デジタルラボのディレクター、ベン・モスコビッツ氏は「研究員は公開討論の場で発言し、企業に積極的な対応を促し、より良いデジタル製品とサービスが消費者に提供される環境を作り出してくれる」と期待を寄せた。

デジタルラボはデジタル製品・サービスに対するテストツールを開発するために設立された研究機関。技術開発のスピードに法規制が追い付かない中、プライバシーやセキュリティ、消費者の選択する権利などが侵されていないかを消費者団体自らが監視する。クラシファイドサイト大手「Craigslist」創設者で、消費者運動を支援するクレイグ・ニューマン氏が設立費用を支援した。

今回のフェロー公募では、アルフレッド・P・スローン財団が全費用を拠出。10カ月に及ぶ研究プログラムとして行われ、給与や開発費用などがすべてが支援される仕組み。フェロープログラムは来年以降も行われる予定だ。

配属されたフェローは、人工知能の健全性ツールを構築するイニシアティブ「Data Nutrition Project」の共同創設者Kasia Chmielinski氏、IoT機器のプライバシー問題に取り組むノースイースタン大学コーリーコンピュータ・サイエンス大学準研究員Daniel Dubois氏、ミシガン大学準教授Roya Ensafi氏など精鋭ぞろい。

同財団のプログラムディレクター、ドロン・ウェーバー副代表は「デジタル化が進む中、個人のプライバシー保護がますます重要になっている。我々は消費者保護に焦点を当てた新たなツールと枠組みを構築するため、才能豊かな研究者を支援するとともに、コンシューマーリポートとのパートナーシップをより強固にすることを誇りに思う」とコメントしている。

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